「いじめ」と「児童虐待」

11月は児童虐待防止推進月間・・・「189番知らせて守る」・・子どもの未来・・・
増え続ける二つの問題について考えてみたい。
一つは文科省が発表した「問題行動・不登校調査」・・・
そうです、全国の小中学校で認知された「いじめ」の問題です。
もう一つは今日から実施される「児童虐待防止月間」(主幹は厚労省)に象徴される・・
そうです。増え続ける児童虐待問題です。いずれも、子どもに纏わる社会問題です。
まず「いじめ」です。年々増加、19年度は前年度比12.6%増で61万2496件。
5年連続で過去最多を更新しています。増加幅は小学校が13.8%増と最も大きく、
年々若年化の傾向にあります。
命の危険や不登校に繋がった疑いのある「重大案件」は723件。
いじめ防止対策推進法施行後の13年度に集計を始めて以来、最多です。
どうして減らないのだろうか。そんな疑問が湧くのですが、私は逆だと思っています。
認知できた「いじめ」の83%は19年度中に解消したといいます。
そうなのです。社会問題化したことで、表面化した「いじめ」は白日に晒され、
大半が解決するのです。その意味では法整備されて以降、メディアが積極的に
取り上げることによって「いじめ」問題は自殺などの「不幸」に至る率が
激減しているのです。「いじめ」は学校で起こる子ども同士の問題です。
その世界は限定的です。教師と親が目を光らせれば、大半が解決します。
問題の問題は「虐待」です。簡単ではありません。18年に目黒区で起きた虐待死事件以降、
国をあげて対策が強化されました。児童相談所が強化され法整備も整いました。
その結果、07年には142人の虐待死事件が起こったのが、18年度では73人と半減しました。
18年度の児相への相談件数は50万4856件、その90%以上が48時間以内に
対応されています。世界的に見てもこれだけ手厚い対策が講じられているのは日本だけです。
中でも「虐待」と想定された事案は児相が躊躇なく一時保護することができるようになり、
2万4864件が保護され、5年前と比べると1万件増加しています。
悲惨な死亡事件は減りましたが、子どもが身を寄せる全国140カ所の保護所が
定員オーバーとなり、施設内での生活不満や「いじめ」が横行するケースなどの
新たな問題が生じています。親に見放された子どもはどこまでも不幸が付き纏うのではと、
虚しくなります。
児童虐待は複雑です。簡単ではありません。親の問題です。大人の問題です。
離婚、貧困、ネグレクト、社会の縮図が子どもを襲うのです。子どもには何の罪もありません。
この国の少子高齢化、人口減少は恐ろしいスピードで押し寄せています。
子どもを健全に育てるのは、社会の使命だと思います。
我が社では、全国で発行する「地域みっちゃく生活情報誌」で「児童虐待のない日本」を
目指すべき、そのためには、「虐待だ」と思ったらまずは児相に直接電話がつながる
「189番」に連絡しようという「189番」認知活動を展開しています。
どれほどの力があるかはわかりませんが。189番・189番・189番と訴え・・・
児童虐待防止に取り組むことで、社会問題の解決の一助になればと思っています。
「いじめ」「児童虐待」いずれも、大人の問題だと捉えたい。 Goto

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