倉廩実りて礼節を知る・・・経営には哲学が必要ですね。
春闘が最終盤です。コロナ禍は世界経済に不況に招きました。
日本経済も低調のまま推移しました。その結果。大半の企業収益は悪化しました。
もちろん、企業努力でコロナ禍を跳ね返し業績を上げる優秀な企業もあります。
昨年はコロナ禍で見通しが全く立たない暗い状態でした。
賃金を底上げする環境ではありませんでしたが、今年、4月からの新年度は、
一陽来復・・・世界中がワクチン接種の開始で明るい光が差し込んでいます。
もちろん、産業によって、あるいは業種によって、国によってもまだら模様です。
簡単に経済が持ち直すとは思えませんが、昨年の春闘のようなことはありません。
今年の春闘ほど、経営側の哲学が問われる年はないと思います。
世の中をどう読むのか。未来への見通しをどう判断するのか。
今しばらく現状を維持する、まだまだ不況は続くとする保守的な考え方もあるでしょう。
もう一方では、潮目が変わったと判断して積極経営に転ずる革新的な考え方もあります。
そんな中、こう考えるのも有りかと思う経営側の判断・・・・なる程と唸ります。
国際的な話なので、ピンとこないかもしれませんが、地球規模での課題は二つです。
一つは「脱炭素」、もう一つは「デジタル化」です。
春闘はトヨタが相場を牽引するといわれます。
去年は7年ぶり「ベアゼロ」回答でしたが、今年は労使交渉で賃金に関する議論は一切なし。
労働側が要求した全組合員1人平均総額「月9200円」に対し、経営側の回答は
「要求どおりにします」と一言でした。凄いと申しますか・・・さすがと申しますか。
でです。労働者に要求したのは「デジタル化」と「脱炭素」という世界的な課題を
経営課題の柱に据える、その対応への理解を求めたのです。
これって、哲学ではないでしょうか。トヨタは、「自動車産業全体の幸せ」のため、
引いては世界・人類の幸福のための「リード役」を担うとの覚悟です。
労使の関係は賃上げ交渉だけではなく、企業の存在意義を論じ、労使双方一体化して
社会貢献に努める。その姿勢があってこそ、日本の企業だと思うし、
これからの春闘ではないかと思う。好況の波に乗った企業でも、
明るい兆しを受け、心機一転頑張ろうとする企業でも同じだと思います。
後ろ向きの保守・保身の経営側にはなりたくないものです。
自己チュウー企業では如何にも寂しいですからね。Goto
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