52ヘルツ

児童虐待を防止するには・・・・・
コロナ禍・茨城県で1ヶ月の乳児を父親が殺害して逮捕された事件が起こった。
昨年の10月のことです。児童相談所の職員や保健師は母親と何度も面談していたが、
父親の問題を打ち明けてもらうことも、気付くこともできなかった。
フィンランドの虐待防止支援の仕組みに「ネウボラ」と呼ばれる制度があります。
専属の担当者が家族全体をケアする制度です。ネウボラとはフィンランド語で
「助言の場」を意味し、産前産後の家庭を継続的にサポートする仕組みです。
具体的には各家庭に担当保健婦が付き、父親を含む家族全体への継続支援で
信頼関係を築いて行くのが特徴で、親子と行政を一本の強い「絆」で結び、
問題を早期発見し解決する取り組みで、究極の虐待防止策と言われています。
もちろん、新しい制度ではありません。
日本では「自治体版ネウボラ」と称される「子育て世代包括支援センター」は
2017年の母子健康法改正で全自治体での設置が努力義務化され、産前産後の親子を継続的に
支援する仕組みで母子保護部署と関連部署をつなげ、助産婦や保健師らが連携し、
妊婦期から就学前まで一つの窓口で支援するのが役割です。
20年4月時点では全国1741自治体のうち1288にあります。
虐待が表面化する度に児童虐待防止法が何度も改正され、児童相談所が強化整備され、
もう一方では自治体版のネウボラが全国の自治体に配置されているのですが・・
児童虐待が防げないどころか増え続けています。
我が社は全国で発行する860万部の「地域みっちゃく生活情報誌」を通して
児童虐待のない社会を目指し「虐待だと思ったら「189」番に電話する」
「189番」啓発活動をライフワークとして続けています。
今年の本屋大賞・町田そのこ著「52ヘルツのクジラたち」・・お読みになりましたか。
児童虐待防と正面から向き合った意欲作です。周波数が高いため鳴き声が仲間に届かぬ
世界一孤独なクジラが実在するそうです。孤独な児童の側の悲痛な叫びです。
味わい深く読みました・・・
この本を一押しにした本屋の店員たちに敬意を表します。
ページをめくって頂ければと願います。Goto

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