8月・貿易赤字過去最大・輸出増鈍化にも危機感なし・・・
このテーマにはうんざりしています。
でも、誰が目を背けようも警鐘を鳴らし続けねばならないと思っています。
ですから結構しぶとく追っています。貿易収支の赤字のことです。
財務省は8月の貿易統計(速報)を発表しました。
それによりますと、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は
マイナス2兆8173億円で13ヶ月連続の赤字。単月の赤字としては比較できる1979年以降で
最大だった2014年1月を超え、過去最大になりました。
1〜8月の通算は12.2兆円の赤字で、このまま、何の手立ても講じなければ
通年でも2014年の12.8兆円を上回って過去最大を更新することは間違いないようです。
円安です。従来ならば貿易が大幅な赤字になることはないのですが・・・
日本の貿易力は世界に通用する産業がないってことでしょうか。悲観的です。
うんざりの話は・・・輸出が伸び悩んでいることだけではありません。
輸出額は前年同期比22.1%増の8兆619億円、輸入額は49.9%増の10兆8792億円。
輸入額増の原因は申し上げるまでもない。資源高、原粗油の輸入通貨単価が円建てで
90.3%増で輸入額全体を押し上げたからです。円安ですから当然です。
同じ量の原油を輸入して実質2倍の額です。
うんざりで乱暴になりそうですが・・・もう少し丁寧に見てみましょう。
1・円安に為替レートが振れても輸出が伸びない背景は国内製造業の生産基盤が
弱体化しているからです。円安による単純な輸出拡大効果を狙える産業構造では
なくなりつつあるからです。この国の根幹が揺らいでいることです。
このことに国としての危機感がない。うんざりどころか恐ろしいことになっています。
1・エネルギー資源の輸入額。原油が90.3%増、石炭が241.0%増、液化天然ガスが
140.1%増と大きく伸びました。ウクライナ戦争は半年以上になります。
終戦がいつになるか、誰にも見通せない。長引けばエネルギー資源の高騰は続きます。
であれば、手を打たねばならないではないですか。
打たなければ、さらに貿易収支は悪化します。
少なくとも電力は原発を再稼働させれば、火力発電で使うエネルギー資源を
減量できます。現実に明日にでも動かせる原発が30基近くあるのです。
このままでは日本の国力が目に見てて低下します。
取り返しの付かぬことになるのは、火を見るより明らかです。
なぜ、手を打たないのか・・・うんざりです。Goto
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