投票率は自分ごとになれば自ずから高くなります。
ちょっと小難しい話をしてみます。
昨今の各種選挙、投票率の低さが目立ちます。
統一地方選挙では9つの知事選挙では46.78%、41の道府県選では41.85%
後半戦の63市長選、280の市議選、55の町村議選・・ことごとく過去最低を
更新しました。これって民主主義の危機ではないか。そんな声が聞こえます。
あなたはどう思いますか。その前に選挙に行きましたか?
日本って世界でも冠たる民主主義国家です。民主主義は英語でデモクラシー。
古代ギリシャ語のデモクラティアが語源で、一人の国王でも、少数の貴族でもなく、多数を占める民衆による支配を意味します。
国家の主権は「国民にある」日本国憲法の真髄であります。
政治学者や識者たちは、統一地方選での投票率低下を一過性のものではない
上下は繰り返しているが、ほぼ一貫して右肩が下がっている。これは民主主義の静かなる危機である。主権者たる国民は「投票は権利であり、義務である」ことを自覚すべきではないか。とりわけ、世界に、民主主義を求めて戦っている人たちが今もたくさんいるのだから・・・
自由で公正な選挙が行われている日本という国に生まれたことの喜びを
噛み締めるべきではないか。そして、与えられた権利と義務を果たすべきであると述べる。・・・私はその考え方には与しない。
なぜなら、投票率が高いことが一概に良いことだとは思わないからです。
ましてや、義務投票制の導入論には反対です。現在民主主義国では13%にあたる27カ国が義務投票制を導入しています。導入していない国と比較して平均で7.37%投票率が高くなっているそうです。
投票率が低いのは政治に関心がない。民主主義を否定しているのでもない。
国家が安定しているからです。国家内に国民の生活圏を阻害するような要素が生まれれば、国民は選挙に行きます。でも、直接的な利害に関係がなければ、
実害が生じない限り、権利を行使する必要がないと考えています。
主権者が政治的にも経済的にも安定していると思えば、投票率が低くなるのは
当然なことです。逆に利害に反すると思えば権利を行使することで、意思表示をしまします。それが民主主義というものです。識者のように投票率が低下したから民主主義の危機だというのは、主権者を信頼していないのではないでしょうか。
識者のいう投票に行かない理由・・・
1・過半数による決定は選挙そのものの正当性が疑わしい。
2・政党間の政策的違いが少なくなった。
3・自民党一強によって政治が「総与党化」した。
4・投票に行くには時間やコストがかかる。
5・各種の組織による動員力が低下した。などです。
あなたが投票に行かない人だとすればどれに該当しますか。
どの政党に入れても同じ。どの人に投票しても変わり映えしない。
誰からも声が掛からない。日曜日に面倒くさい。そんな理由からでしょうか。
そうです。平和なのです。この国は・・・その意味では国民は最も平等な
民主主義を与えられているのです。勝ち取ったのかも知れませんが。
統一地方選で4つの市議会で、投票率は前回よりも低下しましたが
女性の当選者が50%を超えました。千葉県白井市・53.6%、兵庫県宝塚市53.8%、愛知県日進市と東京都武蔵野市が共に50.0%です。
識者は民主主義の危機だというが、女性と若者の当選者数が増えています。
そんなに心配したことはありません。
次回の総選挙・防衛費に対する増税問題が焦点になるでしょう。
否が応でも投票率が上がります。国民が安全保障をどう考えるか・・
自分ごとで捉えねばなりません。政党がそのことから目を逸らさねばですが
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