平安時代から宮廷遊びだったそうです。
ブランコの思い出ってありますか?
幼稚園で、小学校で、それともビリーバンバンの「白いブランコ」ですか。
私は黒澤明監督の名画「生きる」ですね。
主演の志村喬さんが、余命幾ばくもない市役所の課長を演じます。
俺はこれで良いのか。この生き方はなんだったのか。思い悩みます。
そして己の生きる意味を市民公園の整備に注ぎます。
黒澤作品の中でもヒューマニズムが頂点に達したと高く評価され、
「生きる」という普遍的なテーマに正面から向き合った作品です。
1925年の作品ですが・・官僚主義と申しますか、役人体質は今も昔も
変わらないと思うのですが。主人公がやっとの思いで完成した公園に
設置されたブランコに乗って「ゴンドラの唄」を口ずさむシーンは有名ですね。
ブランコと聞くと・・・哀愁を感じます。
そのブランコが大人気です。
ご存知でしたか?
長野県・白馬村の岩岳山(標高1289メートル)の山頂近くにあるブランコ「ヤッホー!スウィング」は、高さは一般的なブランコの倍あり、目の前の北アルプスに吸い込まれるような迫力があります。
イメージは映画「アルプスの少女ハイジ」のオープニングに出てくるブランコの
シーンです。一回500円で、ハイジの曲が流れる2分間だけこげる遊具として
2020年にオープンしました。平日でも混雑、観光資源になっています。
設置者は「アニメで憧れたブランコと子供時代にこいだ思いを重ね、乗ってみたくなるのでは」とみています。旅行も体験型の「コト消費」が人気です。
絶景を独り占めできる非日常感覚や風を切って揺られる爽快感は・・
たかがブランコですが、されどブランコなのでしょうね。
絶景ブランコは長野県の白馬村だけではありません。
愛媛県・伊予市のえひめ森林公園内に「結のブランコ」があります。
写真映えを意識、フォトフレームにブランコが収まるように設計されています。
県の担当者は「インスタで紹介したところ、若い女性やカップルの来園が増え、大切な人との絆を深める聖地にしたい」と意気込んでいます。
この5月に開業したのは島根県・出雲市の複合施設「出雲・湖陵パーキングエリア」に設置された「風のブランコ」です。海にこぎ出すような感覚が売り。
パーキングエリアの運営会社が日本海を望む断崖に設けました。
「ブランコはちょっとした遊休地を生かして少ない資金で設置できる。
人力で動かすなど県境にも優しい、そして懐かしさに浸りながら、その土地ならではの絶景を楽しむ」ことができます。
多分ですが・・・絶景ブランコは長野や愛媛、島根が引き金になって
日本中にブランコブームが起こるのではないでしょか。
それはそうと、ブランコの歴史って・・いつ頃からでしょうか。
日本国語大辞典によりますと、紀元前3000年ごろの古代メソポタミアにあったとされ、インドでは農耕儀礼に用いられたといいます。
日本では中国を経て・・平安時代に伝わり、嵯峨天皇がゆさはり(ブランコ)に興じる女性たちの様子を詩に詠んでいると記されています。
ゆさはり・・・なんとも優雅な言葉じゃないですか。Goto
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