平和ボケ日本

23年度・上半期・経常収支・12.7兆円・・過去最高の黒字ですが・・・・

実感がまったくありませんが・・・あなたはどうですか?
財務省が9日に発表した23年度上半期の国際収支が前年同期の
3倍「12兆7064億円」・・半期ベースでは比較可能な1985年度以降で
最大になったそうです。38年ぶりの大幅な黒字・・そんな実感はない。

中身を見てみよう。
第一次所得の黒字が巨額の貿易赤字を補う・・そんな構図が続いています。
第一次所得とは日本の企業が投資した海外子会社などからの配当金のこと。
18兆3768億円の黒字で過去最高・・なのですが。実態は海外で受け取る配当は円相場に左右されます。そうです。円安が黒字額を増やしているのです。

企業の努力ってわけでもないのです。それに企業が海外で得た利益は
国内の設備投資や賃上げには回りません。日本企業の競争力とは関係なく、
むしろ低下していると言えます。

23年度の円相場は、前年度の同じ時期より、円安・ドル高が進んでいます。
150円ですからねぇ。ということは輸出に有利な環境にあるわけですが、全体の輸出額は49兆6214億円で240億円しか増えていません。輸出する力が瓦解しているということになります。

それと貿易収支の赤字幅が縮小しました。赤字の元凶は高騰し続けたエネルギー資源・原油価格です。それが落ち着きを取り戻し下落。円安以上に輸入価格が下がったことで貿易赤字が縮小したからです。エネルギー資源を原発とか代替エネルギーで賄ったわけではありません。国際的な流れがそうなっただけです。

経常黒字を誰も喜んでいるわけではありませんが、実態は全てが他人任せと
申しますか・・自らの努力や頑張りで得た黒字化ではありません。だからです。
国民に実感が湧かない。冷めているのです。

多分ですが。下半期も過去最高の経常黒字になるでしょう。
この黒字であるのは、長くは続きません。モノの輸出が増えているわけではありません。貿易収支赤字の元凶に手を打つわけでもありません。
過去の余力で海外に投資したのが当たっているだけで、危うい状況に何も変わってはいません。

日本の国力は長期低落傾向に歯止めが掛かってはいません。
危機感もありません。国民総生産はドイツに抜かれ、インドにも抜かれるでしょう。さらには日本の人口の半分しかいないイギリスやフランスにも抜かれるのは時間の問題です。

誰に責任があるかと言えば・・それは怠惰で享楽を好み・・
働くとこ、考えることをしない国民にあることは間違いないのですが・・
こんな日本にしてしまった責任の大半は人口階層で最も多い、古希を過ぎた
我々団塊世代にあると私は思っています。

それにしても・・・平和ボケ日本です。Goto

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