鵺の政権

この状況下で首相と閣僚の報酬を増額する・・と言えばどうなるか?

この手の話は・・・難しいですね。
経済対策の一環ではないでしょうが、一般職の国家公務員の給与が
2023年の人事院勧告を受けて引き上げられる見通しです。
当然ですが・・一般職に準じて特別職の給与も変動することになります。

政府が提出した給与法案改正が衆院で審議入りしています。
首相や閣僚は特別職、首相が46万円・閣僚は32万円年間で増額になります。
このご時世です。「物価高だが賃金は上がらない」実質賃金が目減りしていると国民が嘆いているこの時期に・・そんな法案を出せば・・・どうなるか・・
野党やメディアの餌食になるのは子どもでもわかりそうではないですか・・

それを・・どう思ったのでしょうか。
法的に分離できないので・・と法制局あたりに言われ、額も僅かだし
まぁ・・ええか。そんな軽い気持ちで、法案に入れたのでしょうねぇ。
これが・・・「鵺(ぬえ)の政権」岸田首相の本質かも知れませんね。

「鵺の政権」とは朝日新聞の記者が岸田官邸の620日を丹念に取材して、
政権の本質に迫った文庫本の題名です。読んでみましたが・・全くその通りだと不本意ではありますが、頷かざるを得ません。こんな政権ってなしでしょうと。

話は戻りますが、案の定です。立民からは「現下の状況では国民の理解は得られない」との批判が。維新と国民は自主返納するよう提案。与党内からも公明が「国会議員も賃上げを凍結、首相や閣僚も凍結する考えがあっても良い」と。

これがまた理解不能なのですが・・・
政府は当初は修正に応じないと突っ張っていたのですが・・・
急変・・首相は3割・閣僚は2割の自主返納を申し合わせている・・と説明、
「国民の不信を招くことがないように努力を続ける」と官房長官が。
どうなっているのでしょうかねぇ。信念も覚悟もありゃしない。

私は国会議員も含め、政治家の報酬は低すぎると思っています。
数は多すぎるとも思っています。減らすべきです。
しかし、報酬は増やすべきです。そうしないと議員の成り手がいなくなります。
今でさえ、世襲議員ばかりではないですか。

日本は民主主義の国です。政治家を選ぶのは国民です。
メディアは国民の代弁者として政権を監視する役目を担っています。
野党は政権の粗を探すのが仕事です。建設的な発言をして欲しいですが。

この問題は国家公務員の報酬の引き上げです。
だったら、特別職を予め切り離して法案の提出をすれば良いだけではないですか。そうできないなんてことはありません。国会は法案を作るところであり、
作り変えるところであります。

そうしないで、生煮えの法案を提出する岸田政権の体質こそが、
国民が支持しない表れではないでしょうか。

鵺の政権には「岸田首相は何がやりたいのか」ビジョンや思想を見せず
不気味なほど変わり身が早く、現状に追従する官邸って・・政治と向き合って
いるのか。羅針盤なき政策、民意とのズレ・・・自民党の真の危機はそこまできている・・と帯には書かれていますが・・全くその通りです。Goto

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