政府は、13.1兆円の補正予算案を国会に提出・・・
どう考えても理解できない。
政府は経済対策を賄うべく、物価高対応を盛り込んだとして13兆1992億円の
補正予算案を国会に提出した。7割の8兆8750億円は国債である。
月内に成立させる腹である。
解せないのは・・・年度内に慌てて支出すべき中身になっているのか?
まず、その規模。コロナ禍で補正予算は20〜30兆円と跳ね上がった。
その延長で13兆円は小さな規模に思えるが、東日本大震災やリーマンショック後の危機の時に匹敵する。そんな緊急性があるのか・・・
中身が問題だ。2兆7393億円を物価対策としてガソリン代や電気・ガスの料金を下げる補助金にあて、来年の4月まで延長するのはわからないではないが、
バラマキ感は免れぬ。それと、7兆円以上が住民税非課税の低所得世帯に
一世帯あたり7万円を配ること。それも手続き上、来年の6月以降になると。
首相は来年度に予定する所得税などの減税で賄うというが、手元は借金。
「税収増を国民に還元する」と繰り返すが、そもそも税収は歳出よりも大幅に少ないのである。財務省に言わせれば「直近の増収分もすでに「使い済み」なのが
実態だ。
岸田政権だけとは思わないが、歳出・歳入の両面で見ればいかにも場当たり的と言わねばなるまい。国民は7万円を否定はしないが、コロナ禍のような緊急事態でもない。国債という借金なのに受け取って良いものかと懐疑的である。
同時に財政運営の規律もグタグタに緩んでいることも知っている。
その他、半導体の研究開発などの国内投資の促進に3兆4375億円、国土強靱化や防災・減災に4兆2827億円を計上しているが、どう考えても、最初に予算ありきで、積み上げたような予算案である。
財源論は棚上げ。負担減で国民のご機嫌をとり、給付を競い合っていて、
将来の責任など果たせる筈がない。野党はどうか・・どんな意見や提案をしても数の力では勝てないと、議論さえしないで、この場当たり的な補正予算が成立するならば、野党にも責任があると言わねばならない。
そもそも論だが。補正予算とは災害や景気の急速な落ち込みなどに対し、
経済を下支えする経費などを計上するものである。現下の状況をどう判断するのかは、時の政権であろう。でもです。それにしてもお粗末な有様です。
因みにですが・・・財務省の諮問機関である財政制度等審議会(会長・十倉雅和経団連会長)は24年度の予算編成などに関する「建議」をまとめ財務省に提出した。「インフレや金利の上昇などでこれまでとは異なる局面に入っていく可能性がある」と指摘。歳出をコロナ禍対応から平時に戻し、財政健全化を進めるよう提言した。
国債発行残高が1027兆円。世界最悪の財政状況の中、金利上昇で利払いが増加すれば、財政運営に支障を来たす恐れがあることに懸念を示した。その上で「有事にも対応できるよう常に財政余力を確保すべき」とした。そして財政健全化に向けては、年々増大する社会保障費の抑制のため、来年度が見直しとなる診療報酬の改正率をマイナスとするよう求めた。
実に真っ当だと思いませんか。
政治は国の財政を「世界最悪」にした。
こんな場当たり的な補正予算を提案するようではさらに悪化する。
そんなことはわかっていると、国民はいうのだろうか?Goto
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