平和ボケ・極まれり。

香港・民主活動家、周庭さん・亡命先から香港選挙は「にせ物」と。

悲しい現実だと思いませんか。たとえこれが絶対主義の国の姿だとしても。
中国・香港の話です。中国の辞書に「選挙」なんて言葉はないのです。あってはいけないのです。ですから、香港の「区議会」選挙。定数470のうち直接投票で選ぶのは88人。

前回までは・・・そうです。民主化運動が当局に弾圧される前までのことです。議席全体の9割以上が直接選挙だった。それが今回、直接選挙枠は2割以下に削減。これでは選挙ではない、香港市民はそう思ったのでしょうねぇ。当局関係者以外は投票に行かない。前回の投票率は71.23%だったのが、今回は過去最低の27.54%でした。

言わずもがなですが、前回は民主派が議席の8割以上を占めたが、今回は香港政府が認める「愛国者」のみに立候補が制限され、民主派政党は候補者を擁立できないのですから・・・当然に全議席は親中派が独占です。恐ろしい国です。

ちなみにですが。直接選挙で選ぶ88人以外は政府に選ばれた委員が互選する176人。行政長官が委任する179人、全てが親中派です。中国の国会に当たる全民大会議の議員を選ぶのと全く同じです。この選挙に関して当局の意に沿わないメンバー多数が逮捕・拘束された。香港の民主主義は完全に封殺、死にました。

そんな折、前回の民主運動のリーダーだった周庭さんが、「亡命」先のカナダからSNSを通して「香港の選挙はにせ物」「27.54%の投票率は選挙に参加しないという意志の表れ」だとの見解を示した。そして「一生香港には戻らない」「私はただ安全に自由に生きたい」「香港はふるさとで、帰れないのはすごく辛く悲しい」と複雑な胸の内を語る。

香港では20年に香港国家安全維持法が施行され、反政府デモに参加した多数の民主派が逮捕された。周庭さんもそのひとり。周さんのこれら一連の発言に神経を尖らせている。香港・中国当局は、パスポートの返還や渡航を認める条件として定期的な出頭と報告を課していた。それを無視しての亡命、いつ逮捕されるかわからない恐怖に耐えながら暮らすことになる。なんとかならないものか?

香港のこの現状・実態を知って思いませんか。
日本が如何に民主主義の国であるかということを。
世界では民主社会に暮らしたいと命懸けで、活動している人たちがいる。
その人たちに関心を持ち、できるだけの支援をするのも、民主主義の国に暮らしている我々の責務ではないかと思う。

平和ボケ・・という言葉がある。ご存知ですか。戦争や安全保障に関する自国を取り巻く現状や世界情勢を正確に把握しようとせず、戦争などなく、平和な日常が永遠に続くという幻想を抱くこと、あるいは自分を取り巻く環境は平和だと思い込み、周りに目を向けようとしないことなどを意味する。

香港の民主活動家・周庭さん。まだ学生です。
彼女がどんな思いで、亡命したか。亡命しなければ殺されるからです。そして亡命先のカナダでも恐怖に怯えて暮らさざるを得ない。それでも・・香港の選挙は「にせ物」だと叫ばねばならない思い。そこに寄り添うどころか、関心がない。そんな日本人って、本物の平和ボケですね。情けない。Goto

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