日経広告賞・2023

広告新時代は新聞広告から・・だと思います。希望的観測を込めて・・

年末恒例なのかは記憶に定かではないが・・・
第72回日経新聞広告賞が発表された。新聞命(しんぶんいのち)の私です。Nikkei Advertisng Awards 2023・・の受賞作を紙面でみると、
今年も終わりかなぁ・・とベートーヴェンの第九を聴く気分です。

広告賞は目的・テーマによって分類した14部門でそれぞれの最優秀賞を選考。今年の受賞作品の特徴は、製品・商品の宣伝よりも、むしろ社会課題と自社との関わりを説明し、会社のパーパス(存在意義)について読者へメッセージを伝えようとするクリエイティブが目立つ。企業が消費者や顧客だけでない幅広いステークホルダーを意識し、自社の企業価値やブランド価値の向上を探って知恵を絞る。受賞作品の顔ぶれは、そんな広告新時代の到来も感じさせる(総評の弁)

受賞作品を拝見しながら、私が感じるのは・・・さすがに受賞作品。一つ一つが丁寧に作り込まれ、読者の心に刺さるものばかり。流石に日経で広告してやろうという企業は心意気が違います。受賞作品のどれも好きですが、コマツの見開き30段の「生きる場所をつくる」地雷を撤去し、農地として再整備にあたるコマツの重機。新聞広告ならではの「グッとくる」広告です。

食品部門での最優秀賞・日本コカ・コーラの「ペット・ボトルはもう一度、あなたのもとへ戻ってくる」もSDGsを意識した力作です。24年問題が業界にのしかかる物流界、あえてトラック業界に貨物鉄道とのコラボを呼び掛けた勇気には敬意を表します。30段・思いを感じます。

それと私が大好きな宝島社の広告。私はこの作品に思わず「そうだ」と叫びます。団塊は最後まで、ヒールが似合う。中尾ミエさんの大胆なポーズに、「団塊世代よ。お前ら食い逃げするんじゃねぇよ。背筋を伸ばしてもうひと頑張りもふた頑張りもせよ」・・・そんな団塊世代への叱責をさえ感じます。

日経大賞のニチレキ。深みのある広告です。戦後78年・日本列島改造から高度経済成長、インフラ整備の名の下、メスを入れ続けたこの国土。ここにきて、老朽化する橋や道路をどうする・・・国家的な課題です。交通インフラの舗装・補修に携わってきた企業・それがニチレキ。社会課題に向けて高い存在感を示す紙面。二部作。グッときますねぇ。(写真参照)

車輪の下(ヘルマン・ヘッセの小説)・・・日々重圧を受けるアスファルト舗装。疲弊したこのインフラを、ニチレキはどう救うのか。もう一つが旧約聖書「ノアの方舟の神話に結びつけノアの橋梁・方舟の浸水を防いだアスファルトの力、橋を守るためにニチレキはこの力をどう進化させたいのか」・・素晴らしいコピーです。これまたグッときますねぇ。新聞広告ならではの説得力・迫力です。大賞に相応わしい作品です。

最近、広告の業界では新聞のシェアが落ち続けています。しかし、私はこう考えます。この国に影響力を持つ人たちは新聞を購読しています。なぜなら、それが新聞だからです。日経に広告を出稿し受賞した企業は、新聞の価値、意義を知っているから、新聞に広告を掲載するのです。

売らんかな。売れんかなの企業に取って、新聞広告は効率の悪い媒体だと思っているのでしょう。だから、新聞紙面を活用しなくなっています。でもです。新聞広告とはそんなものとは違うのです。それを称して総評では「広告新時代」の到来といっているのではないでしょうか。Goto

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