どうする政治

パー券・裏金疑惑・・・まさか「死人に口なし」で幕引きなんてことには・・

毎日新聞・名物コラムニスト山田孝男さんが、月曜日恒例の「風知草」で
安倍派をターゲットにしたパーティ券「裏金疑惑」の本質を突いている。
なるほどと唸ってしまう。

紹介しよう。裏金疑惑、ついに特捜(検察)は安倍派の事務所をガサ入れした。
過去の例ではガサ入れしたってことは、妥協はしませんぜ。大物議員、安倍派の事務総長の首もしくは数人の議員はパクる。そんな覚悟、永田町は緊迫です。

コラムです。捜査の背景に政官関係の変質がある。安倍長期政権時代、政治主導が金看板の官邸、官僚の言いなりになってたまるかと、検察官も司法官僚とも激しく争った。その結果、勝者はいつも安倍首相だった。

安倍長期政権と検察・司法の対立は、しばしば異例の事態を招いた。
歴史を振り返ると・・検察のトップである検事総長に意中の人物を据えようとした。思い出しますよねぇ。20年1月・黒川東京高検検事長の定年を半年延長する異例の閣議決定を。この決定で黒川に検事総長就任の道が開けた。

メディアはこの決定に「政権による検察支配」だと批判。国会が紛糾した。このまま押し切るかに見えた・・・5月・コロナの緊急事態宣言発令中の最中、文春砲が炸裂。黒川が新聞記者と賭け麻雀に興じていたのが発覚。「黒川検事総長」は幻と消えた。検察上層部は怒ったでしょうねぇ。

遡ること7年。再登板した安倍は異例の人事を断行した。13年8月・小松一郎駐フランス大使をいきなり内閣法制局長官に起用。内閣法制局長官は政府の法律顧問。内閣法制局が伝統的に「集団自衛権の行使容認は違憲」という憲法解釈に立ってきた。そもそも長官は生え抜きの法制官僚の持ち上がりが慣例。

安倍は「違憲」説の法制官僚を遠ざけ、国際法重視で「合憲」節をとる小松を身近に引き寄せた。安倍はこの人事を足がかりに憲法解釈を変え(14年7月)安保関連法を成立させた(15年9月)小松法制局長官の誕生が最高裁長官の進退にまで影響したと言われる。14年3月、竹崎最高裁長官が定年までの任期を3ヶ月残して異例のタイミングで辞任した。

司法記者の間では最高裁長官は内閣が指名する・・・・安倍の法制局長官人事を見た竹崎が・・・安倍は最高裁判事に保守派の学者を送りこむのではと・・・先手を打ったのではというのがもっぱら。安倍の思惑が整わぬうちに、順当な後継長官にバトンタッチすべく電撃辞任を選んだ・・・と。

法制官僚が蛸壺の中で自分たちの世界に浸り、硬直状態を続けることに憤りを覚え手を突っ込もうとしたのなら・・・タカ派を自認の安倍さもありなんだが、自らが招いた「森友学園への国有地売却問題のよる財務省改ざん事件・「桜を見る会」のよる118回の虚偽答弁が判明する事件などをもみ消すため、恣意的に息のかかった最高裁長官を据えようとしたのなら・・・多分そうに違いない・・それは権力の横暴である。日本では許されない。

その反動として検察がここぞと安倍派を追い詰めるのも理解できる。
しかし、裏金疑惑にメスを入れた検察だとて無謬ではない。見込み操作のシナリオに固執し証拠を改ざんした過去もある。いくらザル法であっても、政治資金規正法は法である。幸いなのかどうか・・・岸田政権には安倍長期政権を支えた時のような豪腕官房長官はいない。厳正な捜査を期待したい。それが法治国家だ。

政治の横暴への検察のしっぺがえしにしては、風呂敷を広げ過ぎた。巷間聞こえる、前衆院議長で前安倍派の会長・細田が裏金疑惑の首謀者だとの声が、安倍派のみならず自民党から聞こえ始めた。細田は数ヶ月前に他界している。

死人に口なしとは・・・犯罪を揉み消す常套句だが・・・そんなことで、お茶を濁すようなこの国の政治であるとするならば・・・世も末だな。Goto

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