春風を以て人に接し、秋霜を以て自らを粛む
1月20日から2月3日・大寒(だいかん)です。
一年でいちばん寒さが厳しい。冬の最後の二十四節気。
各地で一年の最低気温を記録する。寒さが苦手な私は、炬燵に入って・・
いまはファンヒーターですが。足元に置き、何とかやり過ごそうと思う。
でもです。日本って凄いと思う。この凍てつく寒さは・・冷たくって、澄み切った清らかな水をもたらす。「寒の水」という。日本酒・味噌・醤油などの仕込み・・「寒仕込み」というが・・が始まる。日本酒は春先に。味噌や醤油は秋口に店頭に並ぶ。
寒の入りで忘れられないのは、野菜の天ぷら。
「蕗の薹華さく」・・大寒の初候は雪の下から顔をだす「フキノトウ」が主役。
キク科。ほろ苦さと香りが身上。葉が開く前に天ぷらに。自然界が静かに春を迎えようとする胎動を感じる。「フキノトウ」を揚げるなら、もちろん「タラの芽」もなかなかだ。それに田んぼのせせらぎに育つセリも良い・・・あっさりでサクサク感がたまらない。
この頃に出回る・・新玉ねぎも、甘くて良い。玉ねぎは丸ごと、電子レンジで「チン」して鰹節を乗せ、醤油をかけて頂くがよい。酒の、それも熱燗のあてには堪らない。そうくれば、かき揚げだね。玉ねぎににんじん・桜海老とベーコンが織り込まれると・・天ぷら料理らしい。
あれ・・朝っぱらから。何を書こうと思っていたのだ・・・うぅん。そうだそうだ。大寒。霜を割って顔をだす「フキノトウ」に「いちばん寒い時が春に近い」と述べようと思っていたのだ。夜の来ない朝がないように。春の来ない冬はない。
人生も同じだ。誰もが春ばかりでも冬ばかりでもない。人それぞれにサイクルがあり、それは必ず、巡るものだ。私のように寒い、寒いと震えていたのでは、どうしようもない。寒ければ寒いなりに鍛えなければならない。プロ野球がキャンプを張って、来るべきシーズンに備え寒稽古をするように。
こんな言葉に触れた・・・「春風を以て人に接し、秋霜(しゅうそう)を以て自らを粛(つつし)む」とりわけ、秋霜が良い。意味は人に接するには春風のような気持ち良い態度で臨み、自分に対しては秋の霜が身を引き締めるように厳しく慎む・・・佐藤一斎
今夜は、寒月を眺めながら・・・春の野菜の天ぷらで熱燗かな。
寒中お見舞い申しあげます。Goto
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