タコの脳

蛸壺やはかなき夢を夏の月・・・・芭蕉

あなたはタコ好きですか。私はイカが大好きですがタコも好きです。
タコって、どんな生き物なのか。考えたこともなかったのですが・・
「脳」の研究をしている人から、タコは凄いって聞きました。

タコがサッカーの試合を占う・・・そんな図を見たことありませんか。
ドイツの水族館で飼育されていたタコのパウルはサッカードイツ代表の国際試合を予言、国際的な名声を博した。偶然だと思っていましたが。

背骨のない無脊椎動物で、タコは飛び抜けて知能が高いらしい。
脳細胞(神経細胞)の数は5億個あり、イヌに匹敵するとか。
神経細胞の3分の2は8本の足にあるため、足に脳があると考えられている。

タコの知能を調べるこんな実験がある。二つの穴を用意。一方は表面がスベスベしている。もう一方はザラザラしている。どちらかの穴の奥だけにエサを入れる。タコはエサのある穴を学習。その後、別の足を使うよう仕向けても、タコは穴を見分け難なくエサに足を伸ばす。学習した足でなくても脳を介して別の足でエサに辿り着くそうだ。凄いと思いませんか。

タコに興味のある人がいるものです。研究者ってそういうものか?
タコが眠るのかどうかを調べたんです。知らなかったのですが。「ほぼ動かなくなる」「後で意識がもどる」「外からの刺激に鈍くなる」「寝不足のような症状がある」という4つの条件を満たすと「眠っている」と考えるのだそうです。

昼はジイっと動かず。夜活発に動くソデフリダコという種類のタコがいる。動かないから眠っているとして、物好きな人たちが、昼に動かなくなると筆でなでて「眠らせない」のを二日間繰り返し眠らせないようにすると、
3日目にタコは1日中眠った状態でいたと。で、タコは眠ると結論づけたと。

こだわりのある人たちは、さらにタコ研究を。眠っているタコは体の色が白い45分間と体に模様と突起が現れて筋肉がケイレンする1分間があることに気づいた。人や動物でもするようにタコの脳波を調べてみると、体が白いときには平坦な脳波なのに、模様が出ているときは起きているときと同じような脳波に変わる。再び体が白くなると脳波も平坦になる。どうやらタコには2種類の睡眠状態があることがわかった。

人の睡眠も、レム睡眠とノンレム睡眠がある。レム睡眠は起きているような脳波になり、昼に経験したことを整理したり、夢見たりしていると考えられている。タコも模様が出ている状態がレム睡眠になっているのではないか。

芭蕉に「蛸壺やはかなき夢を夏の月」の句がある。
夏の月が夜の海を照らす海底で、蛸壺のタコは捕らわれの身だとも知らないで「はかなき夢」を貪っているという意味に解されている。

また、この「はかなき夢」は、蛸壺漁は明石・壇ノ浦から始まった。
平家一門にまつわる哀れを重ね合わせているのではとも解されている。

タコに占い能力があるかどうかの研究報告はないが、タコの実態を知れば、
ひょっとしたら、人間にはない予知能力を備えた神経細胞を持ち合わせているかも知れない。と思うと好きなタコを食べる時は、心せねばなるまい。Goto

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