日本版DBS法成立

子どもの性犯罪一つ厳罰に処することができない法律って?

通常国会が閉会しました。国会議員の先生方には長丁場ご苦労様でした。
自分たちの利権や利益に関することでは一生懸命になり、国民にとって重要な法案では居眠りしている。「恥を知れ・恥を」って国民に叱責されるような議員はいませんでしたよねぇ。

会期末、泥縄式で重要法案がバタバタ通過する様を見るに・・・
子供の頃、「夏休みの宿題は早めにやってしまいなさい。明日やろうと日延していると、最後は無理矢理にやることになって碌なことにはなりませんよ」と言われたことを思い起こさせます。

毎日新聞は「政治資金改正法案」が成立したことを受け、社説で「国民を愚弄する弥縫策だ」と憤りましたが・・・弥縫(びほう)って意味、分かりますか。
私も使ったことのない言葉。意味は「一時のがれにとりつくろって間に合わせること」です。その方策が弥縫策ってことです。毎日何を格好つけているのか?

この法案、今国会ではこの議論しかしていないのかと、うんざりするほど・・半年近く報じられてきた内容です。今更、毎日新聞のように「これで幕引きすることは許されない」と憤っても・・・政治資金規制についてはこれで終わりです。あとは、国民が答えを出すでしょう。

それも直近の東京都知事選挙で。自民党・公明党がこの法案を成立させたのです。国民が本当に怒っているなら、両党の推薦で立候補している小池都知事が落選するってことになりますし、信任されれば、憤る毎日新聞を始めとして批判するメディアの声は虚しき遠吠えってことになります。まぁ、国民なんてそんなものってことに。

でも、今国会で、これだけは良くぞ成立したと思う法案があります。
それは子どもと接する仕事に就く人の性犯罪歴の確認を事業者に義務付ける「日本版DBS」を創設するこども性暴力防止法案の成立です。

参院本会議で全会一致で可決しました。
法案の詳しい中身は省きますが、最大の特徴は、学校・保育所・幼稚園・学習塾・放課後児童クラブ・スポーツクラブなど、子どもが対象の雇用主に、従業員や新たに採用する職員の性犯罪歴の確認を義務付けます。

ここが重要です。子どもの相談などを端緒に性犯罪の「おそれ」があると認められた職員については配置転換などの対応を事業者に義務付ける。同時に子どもが相談しやすい体制整備を講じる義務も課されます。

「日本版DBS」がなかなか法案化されなかったのは、憲法が保障する職業選択の自由などの対象をどこまで広げるか。性暴力のおそれがあるとみなされた保育士や教員らは配置転換を求められるが、おそれの範囲をどう規定するかなど、難しい問題を内包しているからです。

この法案・文科省も成立を渋っていました。新規採用のみならず現職も対象になります。教員や保育士、幼稚園教諭ら約230万人が対象になります。学校現場では混乱が起きかねないと懸念する声もあり、性犯罪者が複数いた場合、補充職員の確保ができないなど、現場の教育委員会が戸惑っているからです。

私はそれもわからないわけではない。でもです。そもそも犯罪者は犯罪を隠しているものです。それが歴として公になっているなら、問答無用・解雇じゃないですか。職業選択の自由などない。学校教育の現場に、狼を雇っておくことに正当性などあるはずがない。この法案をあえて「日本版」と称しているのは、他国と比べて、内容が甘いからであります。

まぁ・・これが国会で精一杯の法案です。
それが何事にもぬるい日本社会だってことですが。
でも、子どもの性犯罪など許されてたまるか。Goto

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