国立競技場の民営化

日本中の競技場がPFI方式になる予兆か?札幌ドームはどうなる。

国立競技場の民営化が決定した。
東京五輪・パラリンピックのメイン会場となった代々木の国立競技場(JSC・日本スポーツ振興センター)はNTTドコモ・前田建設・日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)・SMFLみらいパートナーズで構成する共同体事業(コンソーシアム・ドコモが代表)が25年度から運営することになった。PFIの一種、指定管理方式の採用である。

JSCは・・国の機関です。設立当初から、運営は民間に委託する方針で、
命名権の導入、デジタル技術を使った騒音対策の実証実験ができる。公費負担を軽減する収支計画ができることなどを公募条件に応募した。

優先交渉権を得たコンソーシアムは、30年間の運営権を確保。その対価として528億円を国に収め、最先端技術を駆使して多角的なスタジアム経営を目指す。
9月には正式契約、来年4月にJSCから業務を引き継ぐ。

民営化後、国は年間10億円を上限として赤字を補填する方針だったが、補填額はゼロになる契約だ。しかし、国は今後も国立競技場の所有権を持ち、借地代(年約11億円)や大規模修繕費を負担することにはなる。

国立競技場は19年11月に完成。五輪後本格稼働した22年度以降、年10億円前後の赤字になっている。この契約に対して岸田首相は「屋外スタジアムビジネスの新たな可能性を切り開く、魅力的なプラン」だと胸を張った。

優先権を獲得したドコモ等は国立競技場の「経営革新」や「スポーツの聖地化」といった構想を発表「グローバル水準の体験価値を実現する」と意気込む。さてさて、国立競技場が民営化され、どんな創意工夫されたイベントが開催されるか。興味が尽きない。

日本中には、競技場は建設したものの年間100日も使われない施設が多くある。これらの有効活用の一歩になるかどうか。このPFI方式で競技場が活性化するかどうか?興味のあるところであるが・・・

その前に、プロ野球・日本ハムの本拠地だった札幌ドームである。今期から千歳の近く北広島に建設した「エスコンフィールド」に拠点を移し、北海道の新たな名所になりつつある。巷間、札幌市が殿様経営で、法外な賃料や販売利権を振り翳し、日本ハムの経営に配慮しなかったことが批判されている。

その間の経緯がどうであったかは、伺い知るところではないが、問題が表沙汰になったのが16年。正式に移転が決まったのは19年だと言われる。その間、札幌ドームの所有者である札幌市は何をしていたのか?

国立競技場は当初から建設費が高い。税金の無駄遣いだと、五輪反対派からの批判を受け続けてきた。それでも五輪開催をすると決めた国は押し切った。そしてその過程で、五輪終了後は民営化し、建設費を一部回収するとした。現実にその通りになった。

札幌ドームはどうか?民営化の案はないのか。当然あるだろう。しかし、これだけ拗れてからは、民営化を引き受けるコンソーシアムが立ち上がらないのか?それとも札幌市が運営権を手放そうとしないのか?不明だが、多額の税負担が行政にのしかかってくる。行政トップの手腕が試されることになる。

国立競技場の民営化は、日本中の競技場のあり方が問われる・・
その布石のような気がする。Goto

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