イノベーション企業って、こんなところにもありますね。
私の周りに少し元気のない人がいます。夏バテではないかと気になるのですが、
そんな人にお勧めの料理は「豆腐」ですね。とりわけ冷奴が良い。タンパク質が豊富で、胃にも残らず食べやすい。薬味はやっぱりミョウガかな。豆腐には良く合う。食欲を増進させ、独特のえぐみもなくなります。
それに・・ちりめんじゃこをカリカリになるまでごま油を入れて加熱。ミョウガと一緒に乗せ、醤油をたらし、て崩しながら食べると、白あえのような濃厚な味わいが楽しめます。ぜひ、お試しあれ。その際にとりわけ重要なのは豆腐ですね。料理家は上品な絹ごし豆腐をと指定するのですが。私は木綿豆腐ですね。
ミョウガとちりめんじゃこの上に、さらに辛口のねぎを乗せ、豪快に頬張るのが好きです。
たかがミョウガ冷奴ですが、スタミナが湧いてきます。夏バテもぶっ飛んでしまいます。私の場合は、ついつい・・酒の肴になって、飲み過ぎる傾向にあるのがいけません。話が逸れました。
今日の話は「にがり」です。大豆を絞った豆乳がなぜ、豆腐になるのか・・・それは凝固剤・にがりのマジックによります。にがりとは海水からとれる塩化マグネシウムを主成分とする食品添加物です。海水から塩を作る際にできる余剰なミネラル分を多く含む粉末です。
海水に含まれる塩類は、塩化ナトリウムがほとんどです。海水から食塩を生成する場合、塩化ナトリウムが先に結晶化するので、これを集めて物理的に取り除いたのちに残る液体がにがり(苦汁)です。にがりの成分は塩化マグネシウムです。味が苦いので、苦汁と名づけられました。これが凝固剤になると発見した人はすごいと思いませんか。私は豆腐を食べる時、いつも感動します。
国産のにがりって、1972年までに国が生産拡大を目的に古い製塩方法を禁じたため、数百社あった製塩会社は10社未満にまで激減した。その結果、にがりは香川県三豊市と兵庫県赤穂市にある2社が大半のシェアを持っています。
両社とも国策に抗って生き残った会社です。伊達ではありません。
香川の会社は寡占市場の「にがり」の生産をにがりに止めず、にがりから入浴剤やハンドクリームを開発するなど新分野にチャレンジ・成長を続けています。これぞ、イノベーション企業じゃありませんか。すごいと思いませんか。
もう一社はにがりの持つマグネシウムなどの栄養素に着目。
米や味噌汁、飲料水に混ぜる消費者向けの液体「天海にがり」を開発、にがり製品の売り上げは5年前に比べ8割以上に増えたそうです。
海水から塩をとる。太古の時代から続く営みです。その塩から創意工夫をして、にがりを取り出す。そのにがりから今尚、新しい商品を製造する。知恵とアイディアで需要を創出する。この地道な企業姿勢こそが、日本経済の再生ではないでしょうか。
ミョウガ奴豆腐でちびりと杯を傾けながら・・・夏バテなんぞしている時かと
思いながら・・・両社の経営努力に敬意を表しています。Goto
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