スズムシおじさん引退

1万匹のスズムシを無償配布・頭が下がります。

我が愛読紙・石巻日日新聞からです。
自宅で約20年間・1万匹以上スズムシの繁殖を続け、市民に無料配布してきた石巻の名物・おじさん(87歳)が9月末まで、今期限りで配布を辞めると報じられた。

残暑が続くこの地方ですが。9月の下旬です。
我が家の猫の額よりも狭い、庭からも虫の鳴き声が聞こえるようになりました。
秋は秋であって欲しいものですね。

虫を聴く文化って、欧米人にはないそうですね。雑音としか思わない。
鳴いていることすら気付かないのですってねぇ。その要因は人種的な違いでではなく幼少期の話し言葉の環境に由来するのではないか?そんなわかったような
分からないような説があるが?感性が鈍いのではと思っています。

研究者に言わせると、人間は一般的には左脳が言語、右脳が言語以外の雑音の処理をしているが、9歳までの時期を日本語で育つと母音の音の物理的構造に似た人の感情音や自然界の様々な音を左脳で処理するようになり、日本人は虫の声を始め自然界の音を言葉と同様に左脳で聞いているから、虫の音を感じるのだと。まぁ・・・こじつけ感は免れぬが。

小泉八雲は虫を愛するのは日本人とギリシャ人だけと述べている。なぜギリシャ人もなのかは不明だが。中国人には虫を聴く文化があるが、習近平指導部には全くそんな文化はない気がする。

鳴き声が細かく鈴を振るようだというので鈴虫と言うが、かつてはこれを松林をわたる風と聞いたらしい。逆にマツムシの「チンチロリン」という鳴き声を鈴の音と聞いていた節がある。文部省唱歌の「虫の声」は「あれマツムシが鳴いているチンチロ・チンチロ・チンチロリン」に対して「あれスズムシも鳴きだした リンリン・リンリン・リーンリン」とあるように、スズムシの聞きなしは「リーン リーン」である。

昆虫好きの養老孟司先生じゃないのだ。スズムシ談義はさておいて、
石巻のスズムシおじさん。そもそもは虫好きの孫を喜ばせようと、スズムシを飼い始め、繁殖させてきた。スズムシは非常にデリケート、土の湿度を保ったり適度に交換したりと手間がかかる。1万匹以上の飼育は易しくない。高齢となったおじさんは徐々に飼育規模を縮め、配布も今期限りとすることを決めた。

今までには市内の幼稚園や小学校、福祉施設、寺院などに無償提供し、希望する市民にも正しい飼育方法を伝授しながら無料配布してきたのだが・・
秋を代表する音色が途絶えることは寂しいことだ。

どなたか、おじさんの技と情熱を引き継ぐ方はおられないのか?
お孫さんはどうなのか?我らが石巻日日新聞の、記事がきっかけとなって、
スズムシおじさんの後継者が現れるといいなぁ・・と思う。
「おじさん、私にもスズムシ下さい」Goto

 

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