カートボックス

公正取引委員会がどう大岡裁きをするか?悩ましい問題です。

今更申し上げることでもないのですが。
年末は一年でいちばん、消費者の財布の紐が緩む時、地域の経済も活性化します。しかし、ひと昔前のような勢いがないのは、インターネット通販が消費の主流になっているからです。

時代の趨勢ですから地方の小売・流通産業が衰退するのは致し方ないのですが。
独占が進む巨大なプラットフォーマーへの監視や規制を徹底しないと独禁法に抵触することが往々に起こります。日本よりも欧米の方が敏感で欧州連合の欧州委員会は19年以降の調査で、アマゾンが自社のサイトに出品した他社の販売情報を不当に利用したとしてEU競争法(独占禁止法)違反にあたるとの見解を示しました。

また、アマゾンはカートボックスの選定で、自社の物流サービスを利用しているとの考えを示しています。米連邦取引委員会とニューヨークなど17州は23年9月、米アマゾンが通販サイトで競争を阻害したとして、反トラスト法(独占禁止法)違反で提訴しました。

日本でも公正取引委員会が通販サイト最大手・アマゾンジャパンが出品者に販売価格の引き下げを強要しているとして、独禁法で禁じる「優越的地位の乱用」や「拘束条件付き取引」などに当たるとして立ち入り調査を実施しました。

対象の仕組みはこんなです。
アマゾンで特定の商品を検索すると、商品と価格の一覧が表示されます。
それをクリックすると右肩に黄色の「カートに入れる」
オレンジ色の「今すぐ買う」のボタンが表示されます。

この商品がカートボックスで優先されるひと枠に選ばれた商品です。
その下にある黒色で表示された「他の出品者」をクリックすると、
他の出品者による同商品を見ることができる仕組みになっています。

アマゾンはIT大手や家電量販店などの通販サイトを巡回して値段をチェック、
出品者に対し、商品を販売する際にライバル会社のサイトよりも低価格に設定するように求めています。その要求を拒否すると、アマゾンが定める「お勧め商品」から除外。お勧めから外れると、閲覧機会が大幅に失われて、販売量が激減するため、出品者は従わざるを得なくなります。

出品者は「指定の価格まで値下げしないとカートボックスには表示されなくなり、アマゾンに睨まれたら商売ができなくなる」「アマゾンは自分たちに巨大な力があるとわかっていて、平気で不利な条件を求めてくる」と語ります。

アマゾン側は「公正取引委員会の調査に全面的に協力する」と言います。
しかし、本音は同じ商品が他のサイトで廉価で表示されているのに、
それよりも高値であれば、販売が落ちる。消費者の利益にもならない。出品者の利益にもならない。何が問題だってことになります。

容易な問題ではありませんが、公取委が通販大手の横暴だと決めれば決めるほど、消費者の利益が毀損されることにもなります。出品商品の適正価格はいくらなのか。公取委がそこまで踏み込めるか・・・カートボックスに商品を入れるのは消費者の自由ですが・・・悩ましい問題です。Goto

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