「チンする」

バレンタインデーに電子レンジのルーツを知る。

内閣府の消費動向調査のよると電子レンジの普及率(全世帯)は80年に34%、2000年には94%です。2013年度の文化庁の「国語に関する世論調査」によると電子レンジで加熱することを「チンする」と表現する人は9割に上る。

そもそも電子レンジって何ものか?
なぜ、加熱終了時に「チン」というのか。
日頃お世話になっているが、そのルーツを知らなかったので・・

電子レンジは電磁波で食品の水分子を振動させ温度を上げ、
その熱が他の部分に伝わることで食品を温める。

誕生のきっかけは1940年代・・・
米国の軍事関連企業の技術者がレーダーを開発中にポケットの
チョコレートが電磁波の影響で溶けたことに気づいた。
これをヒントに同社は「レーダーレンジ」の名称で世界初の電子レンジを
開発した。バレンタインデーに彼女からもらったチョコだった・・のかも。

電磁波を発生させる「マグネトロン」という装置は1921年米国で発明された。
日本で最初に電子レンジを手掛けたのは東芝・56年にマグネトロンの研究に
携わった知見を生かそうと開発に着手した。開発者たちは米国製品を分解・
構造を研究。約3年で完成に漕ぎ着けた。まるでプロジェクトXですね。

当初は東芝でも「レーダーレンジ」と呼んでいたが・・・
国鉄の食堂車で使用した料理人が火力ではなく電子を活用するから
「電子レンジ」と名づけ「現在まで続く名称」に繋がった。

そうなのです。当初は(61年から)業務用製品として販売。
64年に開通した新幹線のビュッフェ用車両に搭載され使われるように。
問題はここからです。業務用として普及するなかで「加熱が想定よりも早い」
「仕上がりに気づかず、料理が冷めてしまった」そんな課題にぶつかった。

加熱をどう知らせるか?
この課題を解決したのは、20代の早川電機工業(シャープ)の若い開発者。
ある日、サイクリング中に騒音のある道でも自転車のベルの音が
歩行者に伝わる様子を見て、この音「チンチン」ならレンジに使えるのではと。
開発者って、24時間・365日・考えているのですね。

自転車部品工場の協力を得て最適な音を探し、67年に実際の自転車に
使うベルを内蔵した電子レンジを発売した。発売日が12月、ジングルベルの
鐘が鳴る時だったというのは穿ち過ぎかな。

65年には家庭向け商品が松下電器産業(パナソニック)から発売。
66年にはシャープがテーブルを回して加熱のムラを減らす「ターンテーブル式」の量産を始めた。初任給9万円の1976年、松下電器は6万円で商品を売り出した。同時期に冷凍庫付冷蔵庫が販売され、冷凍食品の利用と相まって、
電子レンジの家庭への普及が一気に広まった。
必要は発明の母っていうことですね。チン。Goto

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