グミの連食性

高齢者のライフスタイルにグミ。そんな日も遠くない。

グミ・・・不思議な名前。誰もが一度は口にしたことがあるだろう。
私は孫が食べているのを摘んだことがある程度だが。ゼラチンを使った、あの独特の弾力。噛みごたえがよく、酸味と甘みが絶妙に絡み合う。最近は、ただの子どものお菓子ではない。いまや日本の菓子市場の主役に躍りでつつある。
グミについて考察してみたい。

グミの発祥はドイツ。100年以上の歴史がある。
日本では1980年に明治製菓が発売し、子供向けの新しいお菓子として広がった。だが、その存在感が変わったのはここ10年ほどだ。

なぜ売れるのか。
まず、食感である。硬すぎず柔らかすぎない弾力は、噛むたびに小さな
満足感をくれる。人は無意識にストレス解消や気分転換を求めており、
「集中したい」「リラックスしたい」という心の状態にちょうどフィットする。ガムのように長く噛み続ける必要はないし、アメのように溶けるのを待つ煩わしさもない。すぐ噛んで飲み込める手軽さがいい。

さらに「連食性」一粒で終わらず、次から次へと手が伸びる。
味のバリエーションが豊富で、常温保存がきくから持ち運びに便利。
仕事の合間や移動中、小腹が空いたときにパッと食べられる。
この軽快さこそがグミの強みだ。

グミ・・数字を見れば驚く。24年の販売額はついに1000億円を突破。
17年の二倍に膨らんだ。ガム市場は縮小を続け、21年にはグミが逆転。
25年上半期にはアメをも超えた。グミが「菓子の主役」にのしあがろうとしているのだ。

かつてグミは「大人(高齢者)は食べない。子供のお菓子」とされてきた。しかし今は違う。40代はガムやタバコの代に、20〜30代は小腹を満たす間食として。世代を超えて支持を広げている。

こんな状況だ。メーカーの動きも熱を帯びる。カバヤ食品はローヤルゼリーやマカを配合した「機能性グミ」を展開し、中高年層を狙う。ロッテは30年以上前に撤退したが、再び数十億円を投じて工場を整備し、グミ生産に乗りだした。
カンロはグミ事業が牽引役となり、過去最高益を更新。新工場には130億円を投資し、生産能力を1,5倍に拡大した。しかも米国進出まで果たしている。

米国のグミ市場は1兆円超。世界最大の舞台に挑む日本メーカー。
ここから先は「グミ戦争」と呼ぶべき競争が始まる。

かつては子供のお菓子だったグミが、いまや社会人のデスクに常備され
海外市場をも狙う存在になった。弾力のある食感が、働く人の集中力を支え、ストレスを和らげる。グミの成長は、私たちのライフスタイルの変化を鮮やかに映している。

グミ・今は「高齢者はまず食べないお菓子」とされるが、これもいつまで続くだろうか。噛みやすいソフトタイプや、健康成分を配合した機能性グミが増えれば、シニア層の日常と自然に溶け込む日も遠くない。これからコンビニやスーパーの棚を彩るのは、バリエーション豊富な新しいグミたち。まだ見ぬグミに手を伸ばすのは高齢者かも・・Goto

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