麻生派主導で大丈夫か?

連立迷走のツケ、倒産急増に現れては大変だ・・・

10月4日、石破首相の辞意を受け、自民党新総裁に高市氏が選出された。
しかし、本来なら速やかに臨時国会を招集し、首班指名・組閣へと進むべきところ、政治空白は長引いている。臨時国会は20日以降にずれ込み、政権は漂流状態のままだ。

原因は連立相手・公明党との対立である。清廉・平和・福祉を掲げる公明党にとって、高市氏の政治姿勢は受け入れ難い。
とくに靖国参拝の容認や外国人排斥的な発言は同党の理念に反する。さらに、党内で強い影響力を持つ麻生派主導の人事が不信を招いた。
公明党の怒りは、裏金問題に端を発する旧安倍派議員の処分の甘さにも向いている。

ここを混同してはならない。麻生派の問題は強権的人事運営であり、旧安倍派の問題は政治倫理の欠如である。いずれも「清廉の党」である公明には到底受け入れられまい。連立離脱を表明した。賢明な判断だ。

とはいえ、政治の停滞は許されない。自だけでは過半数に遠く及ばなくなった、国民民主か維新との連立が必要だが、国民は支持母体・連合が連立入りに強く反発し、維新は大阪副都心構想を呑めと迫る。どの道も茨の道。麻生派中心の新政権が、果たしてこれを乗り切れるか、極めて疑わしい。

一方で、経済の現場は悲鳴を上げている。
東京商工リサーチの調査によれば、2025年度上半期(4〜9月)の企業倒産は約5,172件に達し、前年同期比で35%増、12年ぶりの高水準となった。主因は、人手不足と物価高、そして資金繰りの悪化だ。中小企業の現場では「政治が止まっている間に、現金が尽きる」との声が出ている。政府系金融機関の融資判断も鈍化し、補助金や支援策の延長も宙に浮いたままだ。

政権発足が遅れ、急造内閣、それも麻生派主導となれば、経済政策の優先順位がぼやける。為替市場では円安が止まらず、輸入コストは高騰。株式市場の高値も、海外投資家の思惑に翻弄される脆い構造だ。政治の空白は、企業経営者の心理を冷やし、設備投資も雇用も足踏み状態になる。

10月下旬にはトランプ大統領の来日が控える。
その時点で政権の形が整わなければ、日本外交は失点の連鎖となる。
経済も政治も、同じ土台に立つ。

年末商戦を控えた今、政治の空白はまさに“経済の赤信号”だ。
企業は日々倒れている。いま必要なのは、迅速な政治の決断だ。
一寸先は闇――その闇を照らせる政治を高市さんに期待したいのだが・・
果たしてどうなのか。心許ない。
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コメント

  1. オイダ より:

    わたしは、

    人間の人間らしさ、人間同士の共感といったものを、満足や喜びのなかよりも、貧困や病苦、失意や不平等、不寛容、絶望のなかに、より強く感じます。

    それゆえ、高市トレードなる金銭と快楽、それに伴う熱気というものにはまったく興味がありません。他国へのナショナリズム合戦になんの意味があるのでしょう。
    私のような考えは、少なからず他の国民の中にも、ひっそりと地下水のようにあるはずです。

    私は、ずっと自民党を応援してきましたが、保守化した自民党は居心地が悪いです。

    庶民のことを考えるなら
    減税より前に
    早く利上げをするべきです。
    円高誘導こそが物価高対策です。