ナフサ

もはや大丈夫、大丈夫では済まないのだ。

五月も下旬に入る。紫陽花もクチナシも蕾を膨らませる。しかし、世の中は風流を愛でる余裕を失いつつある。ホルムズ海峡封鎖から二ヶ月。日本経済は、じわりじわりと締め上げられている。

政府が石油輸入確保に必死なのはわかる。関係省庁総出で代替調達に奔走している。OPECを脱退したUAE、さらには微妙な距離感のロシアからも輸入を増やそうという。現場は懸命だ。否定する気は毛頭ない。

だが現実は重い。

日本は原油の九割を中東に依存している。ナフサも四割中東から。国内で四割を精製していると言っても、その原油そのものが入って来なければ意味がない。

問題は「ガソリン」だけではない。むしろ真に恐ろしいのは「ナフサ」である。

ナフサとは、原油から精製される化学製品の原料だ。いわば「化学産業の米」である。

これが無ければ、
プラスチック
包装材
ゴム
塗料
接着剤
洗剤
医療器具
スマホ部品
自動車部品
農業資材まで、あらゆる製品が作れなくなる。
つまり石油危機とは、単なる燃料不足ではない。現代社会そのものの機能停止なのである。

現実に、ナフサ関連製品は軒並み高騰し始めた。数倍に跳ね上がった製品もある。そもそも欠品してしまったものも少なくない。

建築現場では、塗装に必要なシンナー不足が深刻化。工事遅延が起き始めている。物流費も上昇。食品包装材も値上がり。静かだが確実に、社会の土台が軋み始めている。

にもかかわらず、株価は六万円を突破した。
株価は半年先を見ると言われる。つまり市場は、「中東問題は近々に収束する」と楽観しているのだろう。

だが、本当にそうか。
政府は「大丈夫、大丈夫」と不安沈静化に躍起だ。しかし、もはやその段階は超えたのではないか。

私は、新聞をはじめとするマスメディアに申し上げたい。国民を信頼し、正確な現状を伝えるべきだと。危機を隠し、安心だけを振り撒けば、人は備えない。備えなければ、本当の危機が来た時、社会は混乱する。昭和の石油危機を日本人は乗り越えた。省エネ技術を磨き、知恵と工夫で世界を驚かせた。

今回もまた、日本人の底力が試されている。
節約。省エネ。再利用。そして助け合い。資源の乏しい国だからこそ、
日本は知恵で生き延びてきた。

いま必要なのは、「そのうち何とかなる」という正常性バイアスではない。
いたずらに危機感を煽る積もりはない。杞憂に終わって欲しいと心から願う。
嫌いだがトランプ大統領には終息を願うばかりだが、中国で習近平と会談したが?
何しに行ったのか?米国製品を買わせるためか?わからない。
現実を直視し、静かに備える覚悟が迫られている。Goto

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