酷暑に備えろ

梅雨明け近し、自分の身は自分で守る。

「今年の夏も全国的に平年より気温が高くなる」。気象庁は熱中症対策を呼び掛けている。昨夏、群馬県伊勢崎市では41.8度を記録した。日本の夏は、もはや「暑い」では済まされない。災害である。豪雨や地震と同じく、「命を守る備え」が必要な時代になった。

企業は、この現実から逃げていない。アパレルメーカーは、炎天下で働く営業や建設現場の人たちのために、高機能衣料の開発競争を繰り広げている。直射日光を遮り、熱を逃がし、湿気を外へ出す。外気温45度にも耐えられる作業着まで登場した。暑さを根性で我慢する時代ではない。知恵と技術で命を守る時代なのである。

一方、東京都は「東京クールビズ」と称し、都庁職員のハーフパンツ着用を認めた。私は違和感を覚える。冷房の効いた庁舎で短パン、Tシャツ姿。それは役所か、海水浴場か。職場には節度というものがある。暑さ対策は必要だが、人気取りが常識を超えては本末転倒である。

さて、私の暑さ対策は極めて単純だ。

第一に、「暑い」と口にしないこと。言葉は心を支配する。「暑い」を十回言えば、体感温度は一度も二度も上がる気がする。「心頭滅却すれば火もまた涼し」。もちろん精神論だけで熱中症は防げない。しかし、心構えまで暑さに負けてはならない。

第二に、日傘である。男性も女性もさすべきだ。若干面倒だが、直射日光を遮る効果は絶大だ。

第三に、高機能衣料を着ること。私は社員の健康は会社が守るべきだと思っている。我が社でも、炎天下を歩く営業担当者への支援を前向きに考えたい。健康への投資を惜しむ企業に未来はない。

そして、最後に、あえて苦言を呈したい。

高齢者が熱中症で救急搬送されたというニュースを聞くたびに胸が痛む。だが、言わせていただく。「自分の命は自分で守る」。これが長い人生を歩んできた人間の知恵ではないか。

喉が渇く前に水を飲む。無理をしない。冷房を我慢しない。危険な時間帯は外へ出ない。当たり前のことを当たり前にやる。それができずに、「暑かったから仕方がない」では済まされない。

私は「社会に迷惑を掛けない生き方」を心掛けたい。救急隊も医療機関も限られた人員で命を守っている。本当に必要な人に医療が届くよう、自ら防げる事故は自ら防ぐ。それもまた成熟した人間の責任である。

日本には四季があった。しかし、今は違う。「酷暑」という第五の季節が現れた。この現実を直視しなければならない。

気合いだけでも駄目。根性だけでも駄目。知恵と技術、そして自己責任。この三つを備えた人だけが、この異常な夏を乗り切ることができるのである。Goto

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