中央官僚全体、危機感が乏しいのでないか?
真夏です。食欲が落ちる。夏バテ気味だ。そんな時、あなたは何を食べますか。
私は肉派か魚派かと聞かれれば、実に悩みます。岐阜県は海なし県。子どもの頃から海産物への憧れがありました。魚を食べると頭が良くなる。DHAやEPAが脳細胞に良い。そんな話を聞いて育ったものですから、本来は魚派なのです。
しかし、高齢になると「肉を食べなあかん」と、元気なゴルフ仲間が口を揃えます。確かに、スタミナ切れを感じる時、脂の乗ったロース肉を見るだけで元気が湧いてくるから不思議です。
それでも最後に選ぶなら、やっぱり脂の乗ったクロマグロ。魚派かな。
クロマグロは「海の黒いダイヤ」と呼ばれる高級魚。大型のものは体長3メートル、体重400キロを超えることもある。良質なたんぱく質に加え、DHA、EPA、鉄分、ビタミンDなどを豊富に含み、まさに夏のスタミナ食であります。
そのクロマグロを巡る国際会議が長崎で開かれました。
近年、厳しい資源管理が功を奏し、太平洋クロマグロの資源は大きく回復したと評価されています。そのため日本は、大型魚(30キロ超)の漁獲枠を約20%増やし、小型魚を減らすことで資源を守りながら漁業経営を支える案を提案しました。
日本の提案、米国、韓国、台湾などはおおむね賛同しましたが、東西太平洋の配分を巡ってメキシコが異論を唱え、合意は成立せず、漁獲枠は現状維持となりました。
私は率直に思います。
水産庁は「メキシコの交渉態度は極めて遺憾」と憤ります。しかし、それで済ませてよいのでしょうか。外交とは、相手を批判することではありません。合意をつくることです。反対する国があるなら、その国を事前に説得する。利害を調整する。着地点を探る。それが外交交渉というものです。
東側諸国の理解を得れば十分だろうという甘い見通しはなかったのか。メキシコの動きを読み切れなかった情報収集や根回しに不足はなかったのか。検証なくして次はありません。
漁業者は、資源が回復したにもかかわらず、目の前のクロマグロを放流しなければならない現実に苦しんでいます。現場の期待は大きかっただけに、今回の結果は失望も大きかったはずです。
私は最近、こうした国際交渉を見ていると、中央官僚全体にどこか危機感が薄れているように感じます。日本の国益を守るとは、立派な報告書を書くことではない。国際会議で結果を持ち帰ることです。
資源が回復した今こそ、日本の漁業をさらに発展させる絶好の機会でした。その機会を逃した責任は決して軽くありません。国益を守るとは、現場の期待に応えること。その覚悟を、水産行政には改めて問い直してもらいたいものです。 Goto


コメント