母の日

抹茶と梅干を頂きながら
「これ見てよ。ペラペラ。こんなもん、すぐなくなってまうわ」と新しく届いた保険証を振る。
「毎朝、みのさん。怒ってござる、ほんとやて。」とぼやく。
「後期高齢者医療制度」の説明不足と不備に、
大正14年生まれの母は年寄りを馬鹿にするなと、テレビに同調する。
毎日、朝夕に一時間ほど、近所の仲間と、おしゃべりしながらウォーキング。
そのお陰で、ストレスが発散できるのでしょう。足腰も丈夫で、元気。ありがたいことです。
毎朝、声を出して新聞を読み、テレビのワイドショウーにも反応も示す。
戦中は看護婦。戦後は破天荒な親父を、喧嘩しながら支え、今は一人息子(私)と同居。
連れ合いを亡くして21年。孫にもひ孫にも恵まれ、
月に二、三度は日帰り旅行に。老人会や婦人会の会合に、と、それなりに忙しく、暮らしてます。
日課の一つ、眼科と整形外科通い。この制度導入と同時に、ぴたりと止め。
「みのさん」と一緒に怒ってるんですが、元々、通うほどのことはない。
医療費の高騰は、老人医療の無料化が、もたらした弊害だと、
いえば、お情け福祉論者に叱られるかも。
しかし、このまま、放置しておけば、誰が、その負担をするのか?
この制度導入の主旨をよく考える必要があるのではないか?
この制度の議論に目をそらすことなく、真剣に考えれば、
この国の抱える矛盾や制度疲労が見え、将来の姿が見えてくるのではないか?
などと、思いながら、母の入れる、抹茶と福井の梅干を頂き、
仏壇に手を合わす母の日です。        Goto

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