秋刀魚

食用魚介類の自給率を60%に!
心に残る写真があります。
昭和30数年の頃、住んでいたアパート(24戸の集合住宅)の玄関先。
内輪片手に、七輪でサンマを焼く、姉さん被りの母とそれを見つめる、子供が二人。
早く焼けないかと、真剣な眼差しで、サンマを睨んでいるランニング姿の私と、
網の上のサンマは、尾ひれを目に刺し輪に(目刺し秋刀魚)。それが、脂の滴りでジュジュと音をたて、
七輪から煙が、その煙を避けるそぶりの、おかっぱ頭の子。
肉などめったに食卓に上がらない。貧しかった頃。サンマは安価な蛋白源。
24世帯が肩を寄せ合って、必死に、でも明るく、希望に満ち満ちて、生きていた時代の風景です。
私は、肉よりも魚。若い人には嫌う人が多いと聞きますが、鯖の煮付け、干し鰯のあぶり焼き、鰺南蛮漬け、秋刀魚の塩焼きなど、近海の青物が好物です。
こんな統計が毎日新聞の「余録」に掲載されてました。
春には鰹のたたきを一皿。夏にはスルメ烏賊一パイ。秋には秋刀魚二匹。冬には鰤一切れ。を、
国民が、季節毎、食卓に乗せてくれれば、食用魚介類の自給率は4%上がり60%台に乗るそうです。
日本人は隣近所、助け合って2000余年を生き抜いてきた民族です。
ほんの、4〜50年前まで、秋刀魚を分け合って、暮らしてきました。
原油高騰の煽りを受け、日本の漁業が、その存続すら危ぶまれています。
海に囲まれた日本列島。海の幸、海の恵み、そして漁師達に感謝して、
何の対策も立てられない政府に期待するよりも、
ささやかですが、近海ものの、秋刀魚が美味しい季節です。
家族団欒、目刺し秋刀魚の塩焼きを食卓に並べたいものです。
希望に満ちてた、あの頃の、おかっぱ頭と、七輪の秋刀魚が・・・・・・・懐かしく漂います。
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