勝って騒がれる力士より敗けて騒がれる力士になれ
大相撲名古屋場所。入場券の予約が始まった。あの騒動から、2年。あれだけ、大相撲のなんたるかが議論された。そして、国民のほとんどが、マスコミ乗せられて、にわか相撲評論家や文化人気取りの正義感を振りかざし、声高に八百長批判した。
それはそれで、怠惰な協会に喝を入れ、世間の恐ろしさを見せ付け、力士をピリッとさせたのだから。結構なことだと、思うのだが、批判したあなた達のおかげで、二人の日本人大関も誕生、大相撲は概ねガチンコになったのだから、ぜひ、批判に同調した責任を取って、この名古屋場所には足を運んで欲しい。
前置きが長くなったが。大相撲の格言に「勝って騒がれる力士より、敗けて騒がれる力士になれ」がある。6大関時代だと、鳴り物入りの先場所。日本人大関は、敗けて騒がれず。勝ってスポーツ紙面を賑わしていた。情けない話だ。
開幕まで後、50日を切ったロンドン五輪。日本人最初の金メダルの期待が高まるのは女子レスリング55キロ級の吉田沙保里選手と63キロ級の伊調馨選手。取り分け吉田選手はレスリングのユニフォーム姿で登場する「ALSOK」のCMで、とても親近感を覚える。
その吉田選手が、先月末に開催されたワールドカップ決勝で1590日ぶりに敗戦。58連勝が止まった。日刊紙のスポーツ面で、試合直後に肩を落とす姿。表彰台でも、止まらない涙を拭う姿が、大きく報道された。解説記事は強豪達の「吉田研究」に勇気が整頓できず、攻撃から怖さが消えてると、厳しい。
しかし、敗けたことで、これほど騒がれる彼女の爪の垢でも煎じて飲ませたいと大相撲の大関には申し上げたいのだが。世界を相手の五輪で三連覇するなんて、至難の技。年齢的なギャップに抗い猛練習に耐えて、世界の第一人者として10年以上も君臨している彼女の努力にまず持って敬意を表したい。
私は8/9の試合までには、この敗けを糧にして、「スキのないベテランらしい試合運び」で日本列島を歓喜に包んでくれると確信するが。それ以前に、「勝って騒がれるより、敗けて騒がれる偉大なレスラーに成長した」ことを評価すべきだと思う。
因みに、この格言は、双葉山の69連勝を阻んだ安芸ノ海に師匠が、更なる精進を求めた言葉である。Goto
コメント