「つぎつぎになりゆくいきおい」に流される日本人の思考と歴史の源・・・
混迷を極めるエジプト情勢。朝日新聞は「革命を葬り去るのか」との見出しを付け社説(8/23)で暫定政権を批判しています。吹き荒れた「アラブの春」。あの間隙を縫って「イスラム原理主義」を掲げる政党が台頭したことの掘り下げが足りない気がします。選挙で選ばれた政権はイコール民主主義政権。
だから、正当な政権であり・・・クーデターで軍部が実権を握った暫定政権は「革命を葬り去る」・・独裁政権だ。その証拠が独裁の座を追われ訴追されたムバラク元大統領の保釈だと決めつけている。私はイスラム圏の事情に詳しくないが。朝日の論調があまりにも観念的、短絡的でエジプト問題の本質を正当に評論しているとは思えない。
8/19・財務省が7月の貿易統計は貿易収支が1兆240億円(前年同月5286億円)の赤字となり、7月としては過去最大の赤字額だったと発表した。貿易赤字は13ヶ月連続。このままでは、統計をとって以降、最長の連続赤字月なるのは間違いない。
赤字が続く原因は円安で原油や液化天然ガスなどの輸入額がかさみ、輸入が19,6%増と大きく膨らんだこと。一方で、輸出額は12,2%増で5ヶ月連続のプラスとなったが、火力発電所の燃料の高騰を埋めるに至らなかった。7月の貿易赤字を読売と日経(夕刊)で報じたが、朝日と毎日が報じないのはなぜか?
いや、私が見落としたのかも知れないが。見落とすほどのベタ記事なのはなぜか?
貿易赤字にニュース性がないと判断してるとすれば、「亡国新聞」ではと疑わねばならない。
日経「春秋」にこんな面白いテーマが。政治学者の丸山真男が日本人の思考と歴史の流れを解く鍵をこんなフレーズ「つぎつぎになりゆくいきおい」と語っている・・・主体的に何かをするでもなく「なりゆき」に身を任せること・・
自民党をぶっ壊すと叫んだ小泉さん以降・・・つぎつぎになりゆくいきおいに任せ、政権交代も含め一年交代で首相の首を挿げ替え・・・参院で圧勝、安定政権をつかんだら、またぞろ、既得権益をしっかり守ろうとする「往年の自民党」なりゆくいきおいを増している気配が濃い。
それも、朝日が自民党と手打ちをしたからでは・・などと下衆の勘ぐりはしたくないが。
遅々して姿を表さぬ「第三の矢の第二弾」・1000兆円を越した借金の山へのメッセージをどの新聞も糾弾しないのは、なりゆくいきおいの為せる技か?
雑感だから、お許しを願い。8/23付・・全国の日刊紙の社説とコラムがすべてエジプトでもなければ、貿易赤字でもない。4000本安打の「イチロー」の話題とは・・・この国って「つぎつぎになりゆくいきおい」に流される思考の源が新聞ではと思うと、背筋に冷たい汗が流れる。Goto
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