秋の夜長

毎日新聞社主催、第72回読書世論調査に思う。
今日から11月。まだ正月の餅が喉に詰まっている気がするのに……
歳月人を待たず……ですね。暮秋、ますます夜が長くなっています。
何をして過ごすのか。晩年の身です。読書以外にはありませんね。
毎日新聞って、やはりなくてはならない新聞社ですね。(皮肉です)
今年で72回(戦後一貫してってことになります)を数える読書世論調査を実施、
その結果を発表しました。
批判的に申しあげるのは気が引けますが。
何のために、70年以上もこんな調査を続けるのか。
私にはさっぱり理解ができません。
「読み書きする能力が不足していると感じたことがありますか」
こんな質問を何十年も続けているのです。
答えは「ある」が82%、不足していると困ることが「あると思う」と
答えた人は87%、……この質問で能力があると答える人は0に近いでしょう。
どんな時に困りますか。この質問もどうかと思いませんか。
答えは仕事をするとき、勉強するとき、何かの申請をするとき……に決まっているでしょ。
それを敢えて質問しているのです。調査の意味がわかりません。
こんな質問も笑っちゃいませんか。
本を読むことは大切だと思うか。95%が大切だと答えたと。
当たり前でしょ。5%が変人なだけです。で、1988年、2008年の調査でも同じだった。
で、その分析が。読書が大切という価値観は揺らいでいない。ですって。
この1ヶ月どんな目的で本を読んだか、と聞いたところ。
「本を読まなかった」が32%、頭ではわかっているのに行動に結びついていない。
と結論付けています。本を読むことより優先順位が高いことが色々あるから、
読まないに決まってるじゃないですか。これを調査というのですかねぇ。
そこまで言うのは失礼です。70年以上も毎日新聞が取り組む調査なんですから。
そうですね、読書は世論の移り変わりに関係なく大切なものと認識され、
そして、認識とは別に行動を起こさない人が圧倒的に多いことが
毎年、検証できるのですから。必要な調査です。
但し、この調査で変化していることが二つあります。
一つは普段、新聞を読まない人が初めて4割を越したこと。
10代、20代の82%が新聞を読まない。
読んでいる若者が社会をリードする人になれるに決まっていますね。
差別化できるんですから。
読まなくなった人にその理由を聴くと、
「価格」30%と購買力がないのが一番だと明確です。
新聞関係者がその答えをどう出すか。
6割読んでるんだから、上等と思っているのでしょうか。
もう一つは、本を買ったことがない。増加の一途で、25%に達した。
25%は回答者の見栄もあるのではないかと思うのですが。
本屋が減り、新刊に触れる機会がなくなれば、本を買わないよりも
本を買う場所がないことが確実に本の売上が減っているという変化です。
だったら、電子書籍について質問してみるべきではないでしょうか。
あるいは、本を読まないことの弊害について質問してみるべきではないか
と思う。本を読んでいる人が、電子書籍に流れている実態を知ることは、
読書世論調査の重要なポイントでしょう。それをやらないのも不思議な調査です。
と、どうでも良い調査をする毎日新聞に………ぶつぶつ言いながら。
机の上に山のように積んである本を消化するのに絶好の夜長。
そうそう、正月に読もうと買った本もある。
それが喉につかえた餅だったのかな。さぁ。読書を楽しもう。Goto

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