年末商戦の落ち込みが予想以上に激しい。
日銀が短観(企業短期経済観測調査)を発表。
製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)が9月の前回調査から、
5ポイント下落のゼロとなり、4四半期連続で悪化。
2013年3月調査以来、6年9ヶ月ぶりの低水準となり、
10月からの消費増税で個人消費に陰りが出ていることが顕著に。
調査は11/13から12/12まで全国9,681社を対象に実施、ほぼ全ての企業が回答した。
景況感に黄信号が灯った結果、日銀は金融政策会合で現行の大規模な
金融緩和策を維持する見通しとなった。政府も景気対策に足並みを揃え、
事業規模26兆円の経済対策を決め躍起になっているが、増税の影響は大きい。
なぜか、メディアは消費増税による景気後退の報道を控えめにしている気がする。
日銀が10月の小売販売額が前年度同月比7.1%減、
百貨店の売上高に至っては17.5%と急ブレーキがかかり、
下落幅は2014年4月の前回増税時を上回っていると発表しているのに
そのことをあまり強調しない。
このまま個人消費が「一年で最も増える年末商戦」で大幅に落ち込むとなると、
取り分け地方の景気への影響は計り知れず、年頭には政権への批判が一気に膨らむ可能性がある。
メディアもオブラートに包んだような報道では通用しなくなるのではないか。
米が対中制裁関税の発動を見送ると伝わって、株価が急上昇したが
年明けには英国の「合意なきEU離脱」による混乱は避けられない。
日銀や政府が「ワンチーム」で対策を講じると力んでも、
日本経済は世界の動向によって振り回されるのが現状である。
暗い話をするつもりはないが、消費増税を軽く見てはいけない。
令和2年の日本経済、幕開けは決して明るいものではないと
覚悟して対処すべきではないかと、気を引き締めている。Goto
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