新聞は権力監視だけで良いのか?コンストラクティブ・ジャーナリズムの視点も。
10日から15日まで新聞週間です。
例年ならば、数人の著名人とかタレントに「新聞」との関わりを語ってもらい、
それを記事にして、新聞の価値を訴えるのですが・・・
今年は各新聞社とも独自の紙面を構成しています。例年と趣が違います。
理由は奈辺にあるのかわかりませんが、おざなりの新聞週間であってはならないとの
覚悟が感じられます。やっとなどと申しますと叱られるかもしれませんが、
上層部の危機感が編集部門にも伝わったのでしょうか。
新聞週間の標語は「危機のとき 確かな情報 頼れる新聞」です。
読売は新聞週間を前に「新聞の信頼性」に関する全国世論調査を実施。
コロナ禍にあって「必要な情報を提供している」と答えた人が70%に上り、
新聞の信頼性は揺らいではいないと。そうかなぁ・・・
ただし、情報を得る上でとくに信用しているメディアを三つあげろとの問いでは、
民放テレビニュースが56%でトップ。新聞は52%で2位、NHKが50%の順位となった。
この結果は新聞の影響力、即ち講読者数の低下が原因で1位ではないと言えるのでは。
お決まりの著名人は数学者で最近はエッセイストだという、右寄りの論客、
藤原正彦さんが書いています。情報の洪水の中で生きる我々は情報を正しく選択してこそ
情報は生きる。その手伝いをするのが新聞。新聞で身につけた知識を読書によって
教養まで高めることで大局観が持てるようになる。その大局観を国民一人ひとりが
身につければ、民主主義は醸造できる。だから新聞を読もうと。
もう一人はびっくりだ。10歳の俳優、新津ちせさんを起用、
読むのも書くのも好き、新聞を開くと知らないことがいっぱいあって楽しいと
言わせている。10歳で日刊紙を読みこなせるなら、天才だ。その意図は不明です。
朝日は重い。「朝日新聞 役割はたせていますか」と題して、
東大大学院の林香里教授と編集担当の執行役員との対話を掲載。
あの、朝日新聞記者が検察庁の長官と取材と称して麻雀をやっていた問題を取り上げ、
メディア企業朝日は公正なジャーナリズムの担い手かと迫る。
圧巻は、タジタジの編集担当に、日本の本当のジャーナリズムは記者クラブのない
家庭面にあるのではないか。権力監視はとても重要だが、ジャーナリズムには
色んな形がある。例えば「コンストラクティブ・ジャーナリズム」(建設的な報道)
があっても良いのではないか。朝日にはそれがないのではと。
朝日新聞に姿勢に言及する対談は実に痛快です。
新聞週間は今年で73回です。
その歴史で、今年ほど、新聞週間を真剣に捉えねばならないのは
読者ではなく、新聞社なのだと思うのですが・・・・Goto
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