法務省は・・・AIを弁護士法で、医療法で裁くのか?
AI(人工知能)は人間の仕事をどこまで奪うか・・いや、肩代わりしてくれるのか?
遠隔医療が問題になっているが、そんなに遠くない時代にAIが医師に代わって
診断し、適宜な治療法や薬を処方してくれるようになると言われています。
税務の会計処理などは今や、AIに任せれば責任を持って処理してくれます。
建築の設計も施主の思いに沿った最適な図面をAIが引いてくれます。
法律の知識をAIに活用させれば、リーガルな問題は事前に違法性がチェックできます。
建築の現場でも監督はAIが担当、遠隔での指導が実用化されています。
税理士・医師・薬剤師・設計士・弁護士など資格を有す職業については、
AIに肩代わりさせれば、大概が正確にその仕事をこなしてくれます。
もちろん、いずれも実用化にはもう少し時間が掛かりますが・・・
少なくとも、囲碁や将棋の世界では・・AIが人間の領域を凌駕しています。
最近は企業の契約書などをAIでチェックするようになりました。
企業にとって不利になる契約上の間違いや漏れなどを見つけ、修正案などを提示します。
5年ほど前からこのサービスを提供する企業が設立され、すでに数千社が利用しているそうです。
いずれも弁護士が起業。いまでは「AI・契約レビューテクノロジー協会」なる
一般社団法人の業界団体もできています。会員社のトップはいずれも弁護士です。
時代の趨勢ではないかと思うのですが・・・ここにきて問題が起こりました。
きっかけは、利用者がアップロードした契約書をAIが分析して・・
「法的観点から有利であるか不利であるかなどに審査結果」を示す事業は
法的に問題があるのではないかと新規事業の適法性を確認する事業を行う経産省に
多分・・・弁護士からでしょう。「照会」があったからです。
経産省は・・これは弁護士法を担当する法務省の問題だと法務省に質問状を。
法務省の回答は「法律上の専門知識に基づいて法律的見解を述べるものに当たり得る」
「弁護士法72条に違反すると評価される可能性がある」と結論づけました。
弁護士法72条は「弁護士や弁護士法人以外が報酬を目的で法律事務を取り扱う
『非弁護士活動』を禁じています」違反には2年以下の懲役か300万円以下の罰金。
協会は「コンピューターが契約書を機械的に分析する『自然言語処理術』であって
契約に関する注意点のチェックリストと照合した結果を機械的に示すもので
法律的な意味、法律的な効果に基づいて分析する弁護士の契約書レビューとは
全く違う」と反論しています。
この問題は弁護士法に抵触するかどうかですが・・・
医療でもAIが分析すれば医師法に触れるってことになるのか・・・
他の資格業種も同様な問題が起こって参ります。
時代はIT革命です。人間がやることとAIが担うことのどちらに法的な優位があるか・・
などという議論に意味があるのでしょうか。法務省の見解が、
日本のIT化を世界から何周も遅らせている典型です。
AIと人間は利便性を求め如何に共創できるかの視点ですべてを見るべきではないでしょうか。
あと、10年とは申しません。5年をメドにAIとの権利を主張し合うような馬鹿げた議論を
していたことを恥じる時代がきます。Goto
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