ほっこりとした・・・広告が評価されています。
第39回読売広告大賞(22/4~23/3)が決定しました。
新聞命(しんぶんいのち)の私です。毎年、発表をとても楽しみにしています。
この賞は読売新聞読者モニター約6000人の評価をもとに、選考委員会による審査によって選ばれます。
8つの部門賞ごとに最優秀賞と優秀賞が選ばれ、他に地域性や話題性の観点から、読売新聞・大阪・西部本社、北海道・北陸・中部の作品から「エリア賞」が選考されます。今回は3作品が選ばれました。
グランプリはLOUIS VUITTONが草間彌生さんとのコラボ・キャンペーンとして企画されたもの。その大胆な構図に、このブログでも紹介しました。
朝刊の最終面とその裏面をジャック。新聞の裏の顔も十分な予算を払えば・・
平気で潰すのか・・と訝しがった作品です。
準グランプリも取り上げました。
「母の日」の啓発。お母さんの存在意義を考え直させる・・面白い紙面で、
一面の窓広告・5段・7段・7段・そして15段と・・・これこそ新聞ジャック。
さすが、ユニクロは力があると感心させられました。
エリア賞では大阪本社の近畿大学。西部本社の都城市。支社では富山県・とやま観光推進機構と何かと配慮された作品が選ばれました。
あえて申します。
メディアの持つ信頼性と王道感は新聞広告でなければならない。
タイパばかりが重視される風潮の中、ゆっくりだからこそ伝わる「あたたかさ」を新聞広告は示している・・・との座長の総評には頷きます。
他の選考委員もユニクロが母の日に特化した広告かと思いきや・・
父の日にまで想いを寄せる・・・ほっこりとした紙面に・・小さな広告でもグランプリを狙える可能性があって欲しいと・・・選考委員氏は昨今の新聞広告に歯痒さを感じているのではないでしょうか・・・
そうなんです。ファッションの部、最優秀賞・優秀賞に代表されるエルメスとバカラです。新聞広告賞を獲得するクライアントは、いまや大半が高級ブランドです。社運を賭けて広告費を捻出して、広告に命を賭ける紙面が少な過ぎます。
因みに朝日広告賞も・・・新聞広告の部は、サッカーのスーパースター、
メッシとロナウドがルイ・ヴィトンの旅行鞄の上でチェスに講じる作品です。
まぁーねぇ。150年以上前、旅行カバンの専門店として創業、07年からは「旅」をテーマに企業理念を伝える広告を展開しています。
文句の言いようがない。完成された綺麗な作品です。
「伝統を重んじながら、革新的なモノづくりをしてきたメゾンのスピリットが反映されている。旅と共に歩んできたDNAを伝えられて光栄です」と同社に言わしめられては・・・どんなBtoCのクライアントでも手が出ませんね。
私は思うのです。
新聞広告の世界は、スポンサーの激減(理由は部数が減って広告効果が低いと認識されているから)で苦し紛れに、子供には見せられないような汚い紙面を作っているようでは・・・・とても未来が見えません。
ここは思い切って・・・高級ブランドの大胆な、これぞThe広告という綺麗で、
読者を感動させる広告に広告を絞ってはどうでしょうか。
えっ・・背に腹は変えられないのでどんな広告でも掲載するですって・・・・
でもです。新聞はメディアの盟主、社会の公器です。読売も朝日も新聞広告大賞を設けているならば・・その選考に選考委員が頭を悩ますような広告が溢れるようにして欲しいものです。武士は食わねど高楊枝と申すではありませんか。
Goto
コメント