日銀短観・・9月発表

DI(業況判断指数)非製造業・プラス27・過去最高に近い・・・

短観(企業短期経済観測調査)をご存知ですね。
日銀が四半期ごとに、企業を製造業・非製造業と分け、景況感を調査して
発表する指標です。私はとても正確だと思っています。

10/2に7〜9月の業況判断指数(DI)が発表されました。
大企業製造業では6月の前回調査から4ポイント上昇のプラス9となり、
2四半期連続で改善。非製造業のDIは4ポイント上昇のプラス27で
2022年6月から6四半期連続で改善しました。
(調査の回答期間は8/29〜9/29・全国911社を対象に実施・回答率99.4%)

要因は製造業・自動車の改善です。半導体不足が解消され、
生産が回復したことが大きく寄与しました。裾野の広い産業です。
産業全体を牽引しました。新車不足の声も早晩収まるでしょう。

宿泊・飲食サービスを含む非製造のDIがプラス27は1991年11月以来・・
実に32年ぶりの高水準。5月に感染症5類に変更され、コロナの呪縛が解けたのですね。経済活動が正常化、それに水際対策緩和でインバウンドの回復も
景況感を押し上げたようです。

製造業の景況感は全16業種のうち9業種で改善。非製造業は12業種のうち
8業種が改善、宿泊・飲食サービスは8ポイント上昇でプラス44と過去最高です。個人消費を示す小売も7ポイント上昇のプラス10です。

ちなみにですが。DIとは・・業況が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いた数値です。プラスは景況感が良いと感じる企業が多いことを示します。宿泊・飲食サービスがプラス44という数値は・・簡単に申せば、
観光地や飲食街に人が溢れている・・・小売がプラス10は消費が拡大、
つまり経済が順調に回っていると感じる経営者が多いってことです。

もちろん・・・米国の長期金利の高止まりに伴う米経済の悪化、
中国経済の遅れなど先行き不安はあります。物価高が進む中、
中小企業は価格転嫁が遅れ、人手不足も深刻化しています。
今後は中小企業の価格転嫁がどの程度進むかや、物価高による
賃金への影響などがどのように推移するのかなど注視すべき点はあります。

この短観・日銀ですから控えめに抑制的に数字を出していますが、
私はこの景気は本物/令和景気が始まったと申しています。
なぜなら、経済はマインドです。コロナ禍で抑圧されていた
経営者と消費者両方のマインドに火がついたからです。

これが日本人の特性でしょうか。動き始めますとトコトン行きます。
この景況感がもたらす経済の回復・・遅れを取ってはならじと思います。
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