節句の意味を知ることはとても大切だと思っています。
今日は桃の節句・・「上巳(じょうし)の節句」ひな祭りです。今更ですが、娘がひとりいますが、還暦を過ぎるまでは・・ひな祭りを真剣に考えたことがありませんでした・・・だって、季節を感じる余裕がないほどに・・企業戦士だったからです。
でも今では、そうです。古希を過ぎてからは違います。娘だけではありませんが、孫娘たち、いや、それもだけではありません。我が社の社員・仲間たちの子供たち、孫たちも含め・・・邪気を祓い、災いを跳ねのけ「健康と幸せ」を願う日、「上巳の節句」に祈りを捧げたいと思うようになりました。
古典的ですが・・そもそも上巳とは災いが降りかかりやすい忌み日。平安時代に(今・NHKの大河ドラマ・「光る君へ」で平安貴族文化を丁寧に表現していますが)紙や藁でつくった人形(ひとかた)で体を撫でて穢れをうつし、身代わりとして川や海に流す風習が生まれた。人形にこれから訪れるであろう災厄を引き受けてもらい、消し去ろうと願いました。これが「流し雛」のルーツです。
それが、やがて女の子が行なっていた人形遊びと人形(ひとがた)とが結びつき、女児の健やかな成長を願って貴族が雛人形を飾るようになったのは室町時代頃から。時代が下がり、江戸幕府が公式な季節の節目として定めると、庶民の間にも上巳の節句が広がった。それが雛祭りです。
今頃、改めて雛祭りを語るのもピンと外れですが・・・やれ株価がどうの。景気がどうの。国際紛争が、米国の大統領選挙がどうのと日々のニュースに振り回されているのですが・・・上巳の節句の起源を考えると・・3月3日を単に女の子限定の年中行事とは捉えずに、厄落としをする節目として捉えるのも一考ではないでしょうか。
「雛あられ」・・桃色、緑、黄色、白の雛あられは四季をあらわし1年間の健康と幸せを祈ります。「菱餅」・・緑は新芽、白は残雪、桃色は桃の花(桃は邪気を祓い、災いをはねのけるパワーに満ちた仙木)色付けした餅を重ねて春の山里の風景をあらわすとともに、健康・清浄・魔除けといった願いが込められています。
ちなみに白酒は焼酎に蒸した米と米麹を混ぜて熟成させたお酒で、邪気を祓います。(日本酒そのものが神酒で、神様に捧げるもの)ハマグリもひな祭りの定番ですが・・もともとの組み合わせでしかピッタリ合わないハマグリに良縁と夫婦円満の願いを託します。
最近は何事も古(いにしえ)の思いを深く考えず。簡略化する風習がありますが・・雛祭りぐらいは、その成り立ちからよく考えて大切にしたいものです。今更、したり顔で、私が言えた義理はないのですが。お許しを・・・Goto
コメント