芥川・直木賞・該当作なし・菊池寛はなんていうのでしょうか。
なんだか妙に、安堵した。「折角、書店に足を運ぶ機会を増やし、
書籍の販売を上げるにはこれしかないと手ぐすね引いていたが、
落胆した」という書店主には申し訳ないのですが・・
第173回・芥川・直木賞共に「該当作なし」の報にです。
私の愛読書の一つは「文藝春秋」です。毎月10日に届きます。
なんせ、筋金入りの読者です。どうでしょうか。30年以上は定期購読しています。年末の大掃除、12冊を捨てるのが忍びないと表紙を眺め、ペラペラと捲ってお別れするのが年末の慣わしです。
文藝春秋・高齢者の「終活」ばかりをテーマにしていた頃がありました。
夢も希望もない雑誌に成り下がった。購読を止めようと思ったこともあったのですが・・縁もゆかりもないが「菊池寛」大先生が創刊した雑誌ってこともあり、また、その受賞後(年に2回は多過ぎる)芥川賞受賞作を全文掲載するし、その選考過程を選者たちが論評するのを読むのも楽しみで、購読を続けています。(石原慎太郎さんの評はおもろかったなぁ・骨があった)
私は芥川賞を14年ぶりに「該当作なし」とした選考委員の小川洋子・奥泉光・川上弘美・川上未映子・島田雅彦・平野啓一郎・松浦寿輝・山田詠美・吉田修一の各氏に敬意を表します。
だってです。このところの受賞作品、出版不況を少しでもカバーせねばとの
思いが選考委員にあるんじゃないかと思わざるを得ないほど、駄作ばかり。
思わず文藝春秋を放り投げたいほどに読むに耐えない受賞作が続いていたからです。(前回の受賞作なんて、ちんぷんかんぷんで・・・)
選考委員が今回はこのところの悪評に。受賞を辞めときましょうと話し合ったかどうかは知らないが。「芥川賞」のブランドを守るために選出しなかったのではないか。そう思いたいから妙に「安堵」したのです。
直木賞にもそんな想いがあったのかどうか?
選考委員は、京極夏彦・角田光代・宮部みゆき・三浦しをん
林真理子・東野圭吾・浅田次郎・辻村深月、米澤穂信の各氏です。
「レベルが拮抗しており、突出して票を集めた作品がなかった」と京極氏はコメントするが・・・私は芥川賞の該当なしに引き摺られたのではないかと思う。
だったとしたら・・・どうかと思う・・・
なぜなら。選考委員に優る作品を世に送り出している・・
柚木裕子さんの「逃亡者は北へ向かう」が漏れるなんて、考えられないからです。もちろん、作家名だけで邪推してはあかんのですが。私は彼女のファン。ほぼ作品を読んでいます。彼女が直木賞にエントリーすることが不思議なくらいです。それを落とすなんて、ええ度胸や。
私はこの作品を今日買って読んでみます。
芥川賞・直木賞が何のためにあるか・・・考えさせられる「該当作なし」でした。Goto
コメント