2020年代をどう生き、何を後世に残すのか
ちょっと考えさせられる。
日経新聞「核心」の「2020年代は何を残すのか」を読み、思わず考え込んだ。
歴史を振り返れば、どの時代も激動であった。しかし、2020年代前半ほど、世界の秩序がこれほど短期間に揺らいだ時代は、そう多くはない。
コロナ禍は七百万人を超える命を奪い、人の往来を止め、社会を分断した。ロシアのウクライナ侵略は、武力による現状変更という、戦後世界の大原則を踏みにじった。ガザ、中東でも戦火は広がり、世界は「戦争は愚かだ」と知りながら、その連鎖を断ち切れない。
気候変動は「地球温暖化」から「地球沸騰化」の時代へと移り、自然は人類に警鐘を鳴らし続けている。そして生成AIは、文明を一変させるほどの力を持ちながら、人間がその力を使いこなす知恵と倫理を十分に備えているとは言い難い。
科学技術は飛躍的に進歩した。
しかし、人間の心は、それに見合うほど成長したのだろうか。
八月になると、広島、長崎を思う。忘れてならじ。原爆は、一瞬にして多くの尊い命を奪い、人間が人間に対してなし得る残酷さを世界に刻みつけた。だからこそ、戦後日本は「二度と戦争を繰り返さない」という誓いを胸に歩んできたのである。
人間学は教える。文明は外側を豊かにする。しかし文化は心を育てる。
そして人間教育は、その文化を未来へ受け継ぐ営みであると。
今、私たちに必要なのは、武器を増やすことより、人格を磨くことである。情報を集めることより、真実を見抜く力を養うことである。AIを恐れることではなく、AIには決して持ち得ない良心、慈悲、感謝、謙虚さを育てることである。
人は環境に流される存在でもある。しかし、歴史をつくるのは、最後は一人ひとりの志である。どんな時代であっても、自ら考え、考えて、さらに考え抜き、良心に照らして最善の道を選ぶ。その積み重ねが、家庭を守り、会社を守り、地域を守り、やがて国を守ることにつながる。
戦争ほど愚かなものはない。憎しみからは憎しみしか生まれず、報復の連鎖に未来はない。2020年代を生きる私たちは、後世から「あの時代の人々は混乱の中でも人間としての良心を失わなかった」と評価される生き方を選びたい。そのためにも、心を磨き、人格を高め、報恩感謝を忘れず、平和を願い続ける。それこそが、この激動の時代を生きる私たちに課せられた、最も大切な使命ではないだろうか。Goto


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