万能

難病に福音か!
人間は皆、平等だと神様は云う。本当かな?何時も疑問に思う。運動神経のいい奴は、どんなスポーツでも器用にこなす。語学能力のある奴は、何ヶ国語でも直ぐにマスターする。五感の鋭い奴は、目が良く見え、聴覚は発達している。記憶力抜群な奴は、一度聞いた事を忘れない。
人間には持って生まれた「才」のある奴と、なんの取り柄もない私のような凡人がいる。身体能力には歴然と差がある。とても人間は皆、平等だ。とは、言い難い。敢えて云うならば、身体の構造は平等かも知れないが。
皮膚の細胞に四つの遺伝子を組み込むと、体のさまざまな細胞や組織に育つ、細胞へリセットする。とてつもない、万能細胞(人工多能性幹細胞・ips細胞)が作られ、世界中の注目を集めている。難病に苦しむ、患者には治療の希望がわき、夢のような研究成果だ。
万能細胞の研究は再生医療の最先端。私も、唯一、平等なはずの身体のパーツが壊れ、右足は人工股関節。関節細胞が再生できれば。と願う一人だ。京都大学山中教授の研究成果に期待している。
従来の研究では、万能細胞(胚性幹細胞・ES細胞)は生命の萌芽、受精卵を利用。倫理的な問題が指摘されていた。ips細胞は患者自身の細胞を使えば原理的には拒絶反応を避けることもできる。
この研究に、「とても喜ばしい」といち早く反応したのが、ホワイトハウス。同じ研究をするウィスコンシン大学に連邦政府の研究費が投下されるそうだ。「人(受精卵)を殺さず、たくさんの病気を治す、重要な発見」とバチカン、ローマ法王庁が絶賛。ドイツ政府担当官は1万ユーロの予算を計上する、という。
さてさて、日本で、世界人類を救うかもしれない、こんな「万能」細胞が、発表されたにも拘わらず、表立った反応を示さない鈍感な日本政府。(勿論、予算処置など、全く考えていない)。山中教授が、今後の研究場所を、海外に求めるのではないかと、心配だ。
難病で苦しむ人達への歴史的な福音に、耳目すら働かない政治家を生みだしているこの国に、神様は、政治に「才」ある者は作らなかったのかと、右足を摩りながら、思う。
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