エネルギー

欧州の列国は強(したた)かですよ。
政策を論じる折に、外国の、それも、先進国を引き合いに、
日本の不備をなじる議論があります。
日本は自虐的すぎる。外国の政策が正しくて、自分たちは遅れている。
能力がない。と卑下するのも、情けない話です。もう少し、物事を肯定的に考えたいものです。
フランスの政策です。温暖化ガス排出を大量に削減するための包括的対策に乗り出し、
2020年末以降に建設する一般住宅を含む全ての建物に、
太陽光発電など再生可能エネルギーによる発電装置の設置を義務付けるほか、
同年をめどに、化石燃料の発電所での使用を事実上ゼロにする。
フランス政府の狙いは、7月のサミット前に踏み込んだ対策を打ち出し
地球温暖化の国際交渉で主導権を握る考えだそうです。(日経新聞)
更に、電気事業者の大規模発電は風力発電など再生可能エネルギーの比率を20%に
引き上げるよう規定する。どうですか?素晴らしい、先進国としての温暖化対策じゃないですか。
そう、思いませんか?環境至上主義派が泣いて喜び、さすが、フランスは違いますよね。
それに比べ、日本は・・・・・。と、なりませんか。
でも、そんなに、フランスを絶賛しないで。冷静に考えてみる必要があります。
まず、原油高がフランス経済を直撃している。そうです。背に腹は変えられない。
それに、欧州での温暖化ガス排出量の削減では、ドイツや英国よりも低い。
国際交渉では後れを取っている。その巻き返しが、国力維持に繋がる。そんなみえみえの下心。
うがった見方なのかも知れませんが、フランスの温暖化ガス包括対策は、
フランスの威信を国際的に示すための、ポーズの気がします。
なぜなら、フランスのエネルギーの80%は、原子力発電だからです。
保身は担保され、その上での、国際社会へのアピールです。
先進国の、この政策をまねるべきである。などと、さも、したり顔で飛びつきますと、
日本の産業界が足元をすくわれ窮地に追い込まれる可能性があります。
サミットで、温暖化を力むのも良いですが。先進国の政策に学ぶなら、
日本のエネルギーの80%を原子力に変える勇気が、先のような気がします。
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