衆人皆師

一言添えろと言われても、難しいものです。
秋風を金風というそうです。
黄金色に輝く稲穂を揺らす、この季節に吹く西の風のことです。
気候の変化が季節感をなくしていますが、日本の原風景は、やはり、のどかな里山の田園にあります。
稲穂が色付き始めたこのころ、金風とは、言いえて妙です。日本人にしかわからないでしょうね。
世の中が、殺伐としてきますと、我れが、我れがと自己中心的になります。
それも、物事を単純化して、我田引水、知らず、知らずに・・・・・・・・。日本人も情けなくなりました。
おぞましい限りです。
先日、祝席に呼んで頂きました。受付に寄せ書きの色紙があり、一筆添えて芳名をと。
さて、何を書いたら良いのか?座右の銘など、持ち合わせていないし。
中広の社是「飲水不忘掘井人」と書くのも・・・・・・・。祝いを受ける方は、ご年配で地域の名士。
捕らえ方によっては、祝席を持たれたのは、感謝の意を込めてだから、「井戸掘りに感謝」では
失礼に当たるし。でも。私の印象では、多少「引水」的な手法に疑問を・・・・・・・。
あたり、さわりのない、「おめでとうございます」か。
「いつまでもご壮健で」とか。では、ピンとこないし。どうしたものかと、一瞬、思い悩んで・・・
私も還暦間近か。何を書いても叱られないだろう。と推測。
反面教師で学ばさせて頂けるのも、秋風を金風と知るのも、「万物、師ならざるはなし」と思い。
自戒の念を込め、「衆人皆師」と書きました。
さてさて、ご覧になって、「後輩のくせに生意気な奴め」と、ご気分を害されたら、御許しを。
                       Goto

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