寿司

江戸前のこだわりに触れました。
日本は何時から、アメリカの属国になったんだろう。
日本人には、グローバルスタンダードもアメリカナイズも似合わないんですが。
経済の指標である日本の株価、ニューヨーク市場に引きずられ、底なしの下落。
世界大恐慌の様相を呈しているのだから、仕方がないと半場諦めたいのですが、憂鬱です。
そんな時に、美味しい食べ物の話も気が引けますが、先日、ほっぺが落ちるか、と。
これぞ。と、思わず唸ってしまった、びっくりするような、お寿司をご馳走になりました。
岐阜は海がありませんから、なかなか新鮮なネタが入らないのでしょう。親父の話術や女将さんの愛嬌で、アットホームな楽しいすし屋さんはありますが・・・・・・・・。ほっぺが落ちるとなると・・・・。
最近は、チェーン化された、くるくる回る一皿幾らの「回転寿司」に追われてか?そんな、人情味のあるすし屋も姿を消しつつあり、お世辞にもすしを味わう雰囲気はなくなった気がします。
回転寿司、何度か味わったことがありますが、しゃりは機械が握り。アルバイト店員。すべてがアメリカナイズされた合理的な経営に基づいています。寿司と言うよりはファミレスですね。
そんな、環境ですから、寿司について一家言申し上げることなど、ついぞできないんですが、美味い寿司は、生きの良いネタが勝負。と、思っていたんですが・・・・・・・・
ご馳走になった寿司。お任せのフルコース、親方の見事な手さばきに眼をやりながら、一品ずつ17貫を頂きましたが。生ものは一つもない。全てに手が加わり、仕込んであります。
白身はこぶ締め。たこ、えびは煮付け。真鯛は炙り。トロは漬け。と、事ほど作用に、趣向が凝らしてあり、生ものはない。寿司のネタに生ものがない。そんな寿司屋があること始めて知りました。
その店、東京は、いやいや、江戸は浅草寺境内。弁天山「美家古(みやこ)」。現親方で5代目。かたくなに、本場の江戸前寿司を貫く「粋」な店です。
「親方。なんで、生で握らないんの?」
「江戸、明治、冷蔵庫があったけぇ」「もともと、これが江戸前寿司。代々このやり方さ」、う〜ん。
「親方。これじゃ下ごしらえが大変じゃないの」
「生なら、築地で仕入れて終わりさ。うちは、それからがでぇーじなんだ。若いもんなんか、お客の顔見ねぇ〜日もあら〜」と。べらんめ〜口調。
「美家古」は、むらさき(醤油)がない。出てくる握り(一貫ずつ)には、あらかじめ、ネタに応じて、塩の場合だとか、醤油だとか、たれとか、付けて出てきます。勿論、手で頂きます。
ほっぺの落ちそうな、本場の江戸前寿司を頂きながら、これが江戸のこだわり。日本人の心意気。寿司の味。ここでは、グローバルスタンダードも、アメリカナイズにも、動じない。
株価の暴落、アメリカ追従の付けさ。と、妙に納得しながら、江戸前をほう張りました。
ご容赦を。                  Goto

コメント

  1. Goto より:

    京都からのコメントありがとうございます。都の寿司も捨てがたいと思いますが。
    江戸前とは一味違いますね。こんな時代。変えてはいけないものにもう少し目くばせしたいものです。   Goto

  2. 京都のザガディア より:

    弁天山美家古を評価し、紹介してくださり、ありがとうございます。って言っても美家古の関係者じゃありません。大のファンです。
    京都からここの寿司のために新幹線に乗ります。日帰りででも食べたくなると治まらない。ミシュランだかなんだかには、載っていませんが、載らなくて良かった。白人にはここの味はわからないかもしれませんね。醤油をビチャビチャに附けないと繊細すぎて分からないのかも?
    内田親方は人間国宝にしなきゃなりませんね。