世代を超えて、受け継がねばならないもの。
今年の明るい話題は、何といってもノーベル賞に4人の日本人が選ばれたこと。
それも、物理、化学の理科系で戦前生まれの方ばかり。地道な研究が実ったんですね。
その意味では、理科系の基礎学問が評価されたことに、敬意を表すとともに、戦後の軟弱教育で育った我々とは一味違う世代の気概を感じます。
その気概は、日本人としての矜持の持ちようの違いではないかとも思います。
受章者の一人、独特のキャラで、メディアを賑わす、益川敏英教授のスウェーデン・ストックホルムでの授賞式の感想が朝日に寄稿されたのが目にとまりました。
教授は「お招きを受けた以上、その心に応える必要がある」だから、主人であるノーベル財団の意を最大限に解さねばならない」「ウイークを過ごしてみて、その中に微妙な{間}が設けられている、まるで日本の茶道の{おもてなしの心}が、強く生きていると感じた」と述べています。
更に「私は、おもてなしの心を知る客人として、間に割り込む人たちを許さない気持ちで、主人に応えようとした、その結果、報道陣に一言もしゃべらないなどの行為となった」とも。
スウェーデンで、益川教授が感じた日本的な「おもてなしの心」はどこから来るのか?と
考えてみて、なるほどと思い当りました。
それは、スウェーデンが立憲君主制の皇室、王室が存在する国だからではないかと。
カール16世カスタフ国王は即位以来13回来日、日本の皇室とも親密な関係にあると聞きます。
日本の「もてなしの心」も、その源泉は、天皇家にあるのではと思う私としては、皇室が継承される両国であるがゆえ、との想いに至り、自分で、納得しています。
天皇制を批判、否定した戦後教育に育った世代である我々。戦前生まれの益川教授がノーベル財団から受けた「もてなしの心」への感慨に、そこには、生まれた時代の違いだと簡単に片付けることのできない、日本人に脈々と流れる矜持があるのでは。
皇室継承の素晴らしさに、我々は眼を背けているのでなないか。むしろ、その「もてなしの心」を世代を超えて受け継がなければならないのではないかと、益川教授に教わりました。
心より、ノーベル賞受賞者の先輩諸氏に、お祝い申し上げます。
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