民意

憲政の常道を考える。
友人が電話を掛けてきて、オバマの演説は凄い。感動したと、「24日の施政方針演説」を褒め称えた。英語が理解できる人は、素晴らしいな〜。と羨ましく思いながら・・・・・・。、
何処が、凄いのか?と問うと、国民に阿ることも、ポピュリズム的な思想もなく、経済危機の現状を率直に語り、政府の役割を明確にしてビジョンを予算書で示すという。そして、財政赤字を4年間で半減するとの「数値目標」まで明言しのがたいしたものだ。と。
彼は日本との比較で凄いと言うのではない。「民意」を得てリーダーに選ばれた以上は、人気取りに走らず。自らの信念に正直に、直面する問題に地道に誠実に取り組む姿勢。国民への本音のアピールが、凄いと。
英語の理解力の乏しい私としては、新聞で内容を知るしかない。で、全国紙に掲載された全文を丁寧に読んでみた。なるほど、凄い。ちょっと長ったらしいが、面倒に思わないで、辛抱を。
現在の経済状況を「我々の経済は一夜にして傾いたのではない」「短期的な利益が長期的な繁栄よりも重視される時代を過ごしてきた。」「黒字が出ても未来へ投資する機会と捉えず、富める者にさらに富を移す口実にした」と分析。そう思います。
「規制は短期の利益のために骨抜きにされた。人々はローンを支払う能力がないことを知りながら住宅を購入した。」と国民の責任を問い。「重要な議論や難しい決定は後回しにされた。」と前政権を痛烈に批判した。そして、「今必要なのは団結し、未来に責任を持つこと」(日経新聞)だと国民に呼びかけている。
これって、ネオコン。新自由主義に対する明確な否定です。拝金主義への反省です。
ブッシュ政権の経済政策の失敗。政権運営の全面否定です。
私の分析や認識とは多少異なりますが。辛辣なる共和党批判です。
なるほど、これが、政権交代と言うものなんですね。これが民主主義なんですね。政治も人間のやること、上手くいかなければ「民意」が否定する。それで権力が移行する。納得です。
日本の政治には、大日本帝国憲法下、政党政治時代の慣例に「憲政の常道」があります。
常道とは「天皇による組閣の大命は衆院第一党に下される。ある内閣が失政によって倒れた時、組閣の大命は野党第一党に下される」ことです。
その機能が十二分に発揮された歴史は少なかったようですが、議院内閣制では第一党が失政すれば、野党第一党が選挙管理内閣を組閣して、「民意」を問い、新政権で国を運営する。これが、まさに「憲政の常道」です。
最近の失政。それにおける政権のタライ回しは「憲政の常道」から大きく逸脱しています。
情報社会の発達によって、時代は大きく変わりました。国民は、自分たちの考えや意見と政治との乖離にイライラしています。もはや、特定の為政者、政党が独善的に国を治める時代は終わりです。
日本も、アメリカ民主主義の凄さに学び、「憲政の常道」に則り、「民意」を問うたらと、思うのですが?
オバマ大統領の施政方針演説を読んで、そう、思いました。
                                   Goto

コメント

  1. Goto より:

    コメントありがとうございます。
    中広のHPを毎日動かすのは、暇なトップの仕事だと、スタッフに叱られてブログを始めました。さてさて、何時まで続くやらです。
    もう、33年前の話です。日中友好青年活動家訪中団ってのがありまして、岐阜から参加させてもらいました。準国賓待遇。北京飯店に宿泊。美味しい中華料理を毎日頂きました。その際、料理長にこのホテルのメニューは何種類あるのかと質問。中国4000年の歴史が凝縮、3000種類は提供できると聞き、驚きました。世界に冠たる中華料理文化、その源泉は、人民を搾取して贅の限りを尽した宮廷権力によって齎されたもの。文化や芸術が開花するのは富によってなんだと、その時に思いました。近代の富は先進国にあります。仰せの通り為政者の思想が文化、芸術を育てるのでしょう。岐阜県の場合、メディアの力が大きいようであります。我社の地域密着型生活情報誌「さるぼぼ倶楽部」(飛騨高山で発行)の2月号で、芸大と市民合作のミュージカルの特集を組んで紹介したところ、公演に多くの市民が駆けつけ、超満員の大盛況だったそうです。高山にミュージカルが育つ芽ができました。市民と一緒に、引き続き応援したいと思っています。出来る範囲で頑張ります。
    今後ともご指導お願い致します。
    ありがとうございました。
    三寒四温、体調にはくれぐれもご留意を。
                 Goto

  2. Guess who より:

    遅ればせながら、まずは、ブログ500回達成の偉業、讃えさせていただきます。それも、一日も休みなくということで、ますます感心しました。イチローの200本安打よりすごいですよ。こうなると、1000回が目標でしょうね。
    オバマ大統領の議会スピーチについて、元フランス文化大臣で、現下院議員のジャック・ラング氏のコメントが、日経2月28日の夕刊第8面の「夕刊文化」’芸文余話’
    に紹介されていたのは、お読みになったでしょうか。
    そこのところ、このコラムを読む人のためにも引用します。
    「新しいグローバル社会で競争するためには、子供たちに科学や数学を教えるだけではなく、芸術教育によって創造的に考える能力を身につけさせるべきだ」
    ラング元文化大臣は、オバマ氏が文化・芸術とグローバル経済を結びつけた視点を高く評価し、その芸術教育政策を「フランスを含めた世界の国の政府も実践すべき」とまで語った。
    日本では、不況というとまずは、文化関係の予算が削られます。それになにより、中央政府、地方政府を含めて、政治に携わる人の、芸術的素養が低いような気がします。岐阜には、岡本氏のように、音楽に理解の深い経営者もみえますが、一般的に言って経営者の芸術的教養もあまり高いとは、いえないのではないでしょうか。
    ここはひとつ、中広として、岐阜の芸術文化向上のために、一肌脱がれてはどうでしょうか。