空襲警報

地下か?それとも、地上のシエルターか?
北朝鮮がミサイルを発射するとの報に、政府はPAC3を秋田県と岩手県に配備しました。
PACとは、ご記憶の方もあるかも知れませんが、「パトリオット」ミサイルのことです。
そうです。「パトリオット」は、1991年の一月に勃発した湾岸戦争で、
イラクがイスラエルに向かって発射したスカッドミサイルの迎撃に初めて使用された兵器です。
私は、その折、イスラエルのテルアビブにいて、生まれて始めて「空襲警報」なるものに遭遇しました。
なぜ、そんな危ない時期にイスラエルに居たかは、面倒ですから省きますが。
テルアビブ、ベングリオン空港に降り立ちますと、外国人は一同に集められ、「ガスマスク」が一人ひとりに手渡され、使用方法の説明を受けました。
その際、ミサイルがどこに着弾するかは解らない。その先端に爆弾が搭載されているのか、化学兵器(毒ガス)なのかも分らない。空襲警報鳴るから、自己の判断で、爆薬ならば、地下のセシエルターに。毒ガスなら、このマスクを付けて、地上階のシエルターに非難しなさいと??????。
夕方でしたが、ちょうどホテルに戻って一息入れてる最中に、「空襲警報」が鳴りました。
街全体に響き渡り、妙な緊張感が走り。「どうしょう。非難場所を、地下か?それとも二階のシエルターか?」。と迷って、「エィー。成るようになれ」と部屋でビールでもと開き直ったら、解除のサイレンが。
その間。僅か30分ほど。空襲警報はイラクからミサイルが発射されたのをイスラエル軍が感知した時点で、全土に鳴らされます。その当時はどの方向に向けられて発射されたのかも解らなかったからです。
今回の北朝鮮のミサイルは、日本を狙ってるわけではないようです。発射に失敗しない限り、10分以内で日本上空を通過するとのこと。イージス艦もPAC3配備も必要はなさそうです。
万が一に備えるのは分かりますが、PAC3の射程範囲は、20kmと言うではないですか。
専門家の話では、迎撃態勢を整えても、なんの意味もないそうです。
あの日の翌日のイスラエルの新聞には、パトリオットがスカットを正面衝突で迎撃する瞬間の写真が一面にでかでかと掲載されていたのを思い出しました。その写真は国威発揚と軍事力を誇示したのでしょう。
イスラエルは18年前も、そして現在も、他国から攻撃を受ける危機にあります。
戦争状態の国です。右派政権の誕生は紛争激化の可能性を秘め心配ですが。
それに比べ、我が国は、平和ボケです。ことを構えるには相当な覚悟が要ります。
その覚悟も出来ていないのに、いたずらに国民を煽るのは如何なものかと思います。
PAC3が連なって日本列島を移動するテレビ映像に、
テルアビブのホテルで聞いた「空襲警報」の嫌な音が蘇ってきました。
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