失踪

ミツバチは働き過ぎなんでしょうかね?
最近はめっきり見られなくなりましたが、この季節(四月の終わりごろ)、岐阜市近郊の水田は、紫色の絨毯を引きつめたようになります。稲を植える前にれんげ草の花が一面に咲くからです。
れんげ草の根にはバクテリアが付いていて、これが稲にとっていい肥料になるためで、花が咲いた後、すき込(土でならす)んで、田植えに備えます。先人の知恵ですね。
れんげ草は岐阜県の花にも指定されています。陽のあたる場所に飾っても、変哲もない花ですが、野に置けば見事な装いを醸し出すところから、岐阜人の人柄をれんげ草に託して「やはり野に置けれんげ草」などと表現されます。(私もこう言われるレンゲが好きです)
岐阜は養蜂が盛んな土地柄です。そのルーツは、勿論、裏作に蒔くレンゲの花から蜂で蜜を採る技術が発達したからです。市内には優良な企業が数多く存在し、蜂の研究も盛んです。
近年、ミツバチは蜜を採るだけではなく、農作物の授粉にも使われ、農作業の重要な担い手として活躍しています。蜂の習性を研究した結果でしょうが。人に使われる定めなんでしょうか?
が、そのミツバチが、今年に入って、蜜を採るのをサボタージュし、農作業を放棄して、失踪する異変が、この辺りで、頻発しているそうです。
このミツバチの失踪劇は、日本だけではなく、世界的な傾向だそうです。
北米では失踪したミツバチの死骸も見つからぬ不可解に包まれているそうです(毎日新聞)。
この失踪が、地球規模での天変地異の兆しでなければ良いがと心配する向きもあります。
蜂の行方は蜂に聞かなければ分らないのですが、ミツバチだけが失踪するのが不思議です。
この季節、岐阜の山間部では、レンゲとは対照的な、藤の花があでやかに咲き誇ります。
とても奇麗です。(あまり地元では有名ではありませんが)
その蜜をめがけて、多くの虫が群がりますが、すべてスズメバチに撃退されて、近寄ることはできません。なぜかしら、藤はスズメバチの天下で、今年も藤の花に纏わり付いています。
どうも、スズメバチは失踪していないようです。しからば、あしなが蜂はどうなのか?その他のハチは?知りたいところですが、専門的なことは分りません。ただ、農作業も蜜採りもする働きミツバチだけが失踪したようです。そこが不思議です。
れんげ草とミツバチ。藤の花とスズメバチ。れんげ草と藤の花。ミツバチとスズメバチ。
このコントラストって、何となくわかるような気がしませんか。ミツバチが失踪したい気持ちも。
稲作の裏作に、レンゲを蒔かなくなったのも、ミツバチ失踪の原因だと仮定すれば。
その解消策は、やはり、先人の知恵に頼るべき・・・・・・かもしれない。
ミツバチの失踪に、社会の歪みを見る思いです。
何処へ・・・行ってしまったんでしょうね。       Goto

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