カバ

命をつなぐため・・・・・・。
この季節が日本では一番美しいと思っている。なぜかって?都会暮らしの人には申し分けないが、田舎の野辺は、花盛り。名も知らぬ野草が、ここぞとばかり、花を咲かせているから。
路地に咲く可憐な花を見つめ、人は何のために生きているのか?などと、哲学的な気分になっている。人間も生き物。取り立てて、人間は何のために・・・。などと、大袈裟なことを言わなくとも、周りの生き物がそれを教えてくれる・・・。
野辺の野草もその一つだが、こんな動物園長のコラムに、考えさせられてしまった。
ある秋の日。雌カバが来園者のいる中、誰にも気づかれないまま、屋外プールで出産した。
しかし、なぜ出産したのかわからない。繁殖制限を設け、カバのぺアは二年間、別居中。
思い当たるのは、その年の一月、檻(施設)の暖房器具が故障。二日間だけ昼、二頭を雪の積もる運動場に出したとき・・・・・・・・・。
だが、カバは体重が2トンもあり、身体は丸く、短足。水中でなければ交尾できない。プールもないマイナス15度の雪の上で、どうやって交尾したのか、謎のまま。
しかし、カバはたった二日のチャンスを逃がさず、子供を誕生させた。
「動物は何のために生きているか」との疑問に「命をつなぐため」と、カバが明確な答えを示してくれた。
野草も、美しさを競うために花を咲かせているのではない。
生あるものは、種を保存するために、けなげに花を咲かせ、必死に生きるのである。
さてさて、人間は何のために生きるのか?種の保存のみではなかろう。
それではカバと同じだ。でも、それすら、放棄し始めている。
少子高齢化。良く考えてみる必要がある。 
                               Goto
追伸
このカバ。一昨年の八月に私も訪れたことのある旭山動物園の「ザブコ」
コラムは動物園の小菅名誉園長(この三月で退園)です。
世の中には凄い人がいるもんです。
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岐阜本社の周りに可憐に咲く野草

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