農業国

「黄金の10億人」と「飢えた10億人」
ブログにはそぐわないのですが。結構、納得できる話なので、ちょっと書いてみます。
この国は、何時から、農業国ではなくなったんでしょうと、考えていましたら。
そんなに、昔の話じゃないってことに気が付きました。
私の子供のころは、農業が国の主体でした。母親の実家が百姓。いまでもそうですが。
田植えの「シーズン」(この時期ですが)には、親から、「手伝いなさい」ときつく言われてたのでしょう。
嫁に行った娘まで、狩りだされたものです。私も連れられ、その風景を見ていました。
50年前の話です。その頃、日本は農業国だったはずです。だとしますと、農業国だと言わなくなって、まだ、半世紀も経っていない。岐阜市は県都です。わりと町の部類。農業が衰退したのは、ほんの、20〜30年そこそこってことではないでしょうか。
二千有余年の国の歴史から比べれば、瞬きほどの時間。にも拘らず、四半世紀で農業を捨ててしまったようです。果たして、これで、良いのでしょうか?不思議な気がしてなりません。
ロシアの大統領が、朝日新聞に寄稿しています。
生活の質を測る第一の指標は、食糧供給の水準である。世界は、経済危機に陥っているが、食料問題が解決したわけではない。
貧しい国では飢餓が強まっている。世界には「黄金(先進国)の10億人」と「飢えた10億人」との定義が生まれ、貧しい国での飢餓が強まっている。
専門家の予想では2030年には、穀物消費が40%増加する。多くの途上国にとっては、穀物の安定供給と確保が、社会経済の安定の基準となる。ロシアは世界の穀物の5%の生産を占めるに過ぎないが、可能性は14%まである。
ロシアは自らの責任を自覚し、穀物生産を向上させ、他の農業生産大国と共に「食糧安全保障の保証人」となる。と述べ、国際社会は食糧危機に備える新しい段階の時代に入ったとの、認識を示した。
現職大統領の寄稿に驚いていると同時に、ロシアの食糧問題に対する確かな国家戦略が読み取れる。
日本は、工業製品の輸出で稼いだ外貨で、食糧を輸入。今は「黄金の10億人」の側にいるが。農業の大切さを放棄してしまえば、「飢えた10億人」の側に、いつ転落するやもしれない。
にも関わらず、太平楽を決め込んで、食糧自給率にも真剣に取り組まない。ましてや、農業政策には、補助金を付ければ良いと考えている。あまりにも、近視眼的。国家戦略も世界戦略もない。
食糧の根幹である農業を、こんなに簡単に放棄して良いのだろうか?
梅雨空を眺めて、あの頃の、祖父母の笑顔が浮かんできた。
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