堪能

殺伐とした社会には、心の滋養を・・・・・・。
土曜日の報告です。雪国に暮らす人には申し訳ありませんが、美しいものを堪能させて頂きました。
飛騨高山での話です。まず、雪景色。岐阜から高山へは普段は車で行きます。
東海北陸自動車道で、一時間半。美濃路から、飛騨路へ、トンネルを抜けるたび景色が移ろい、山国ならではの情緒が楽しめます。が、冬将軍の妨害、大雪のため、珍しく道路規制されました。
ではJR高山線で。特急「ワイドビューひだ」で二時間。国道41号線と飛騨川を交差しながら、深々と降りしきる雪の中。山間の集落を縫って走る。車とは一味違う雪景色を味わいました。
高山の街。汽車を降り立った人たち、ドキッとするような、1mを越す積雪。しかし、道行く人たちは何事もないように、大雪を受け止める。その直向さに感動しつつ、雪に覆われた街並みを見ながら目的地へ。
そこは、ミシュランの観光案内で三ツ星「宝石箱をちりばめたような美術館」と紹介された飛騨高山美術館。雪に包まれたそのたたずまいは、まるで、メルヘンの世界。調査員も冬に来たのかと・・・・・。
随分、前置きが長くなりましたが、美しいものを堪能させてもたっらのは、雪景色もそうですが、飛騨高山美術館が開館13周年を記念して開催した「東京国立近代美術館工芸館名品展」の作品に。
国立美術館所蔵の数万点の中から選りすぐった工芸品。私如きが評価するのもおこがましいのですが、近代の作品ですから、存命の作者も多数。取り分け、今も黙々と受け継がれる漆芸、気の遠くなるような漆重ねの技法に感動。ガラスの神秘にも目を奪われました。
オープニングの挨拶で、殺伐とした社会にくじけそうな世の中。救えるのは心を満たすこと、一食控えても心や感性に滋養を!!の一言に、美術館の役割と価値を改めて認識しました。
伝統工芸の技を受け継ぎ新たなる発想で作品に挑む芸術家の心根と、飛騨人の大雪にも動ぜぬ直向さと、そして、飛騨の地に美しいものを供給し続ける館長の心意気に、堪能させてもらいました。
ありがとうございました。雪の飛騨高山は美しいですねー。                  Goto
追伸
因みに、飛騨高山美術館開館13周年記念特別展・東京国立近代美術館 工芸館 名品展」は、
2010年2月7日まで、開催されます。ぜひ、心を癒しに、飛騨高山を訪ねられてはと、お勧めいたします。お声を掛けていただけば、車でも、汽車ででも、私がお供します。
勿論、ご案内は、我社の生活情報誌「さるぼぼ倶楽部」のスタッフが、心を込めて致します。
二伸
さるぼぼ倶楽部スタッフの皆さん。ご苦労さまです。雪に負けないで下さいね。
体調にくれぐれも留意ください。
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                              特急「ワイドビューひだ」から見る風景
   

コメント

  1. Goto より:

    高山の秘めたる技術と歴史をブラジルから教えて頂きました。ありがとうございます。
    高山社の本社のあった場所は日赤病院に変わっています。その時、事業を継続するか廃業するかで苦悩する現社長の話を、友人の医師から聞いたことがあります。ブラジルの話を聞かせて上げれば、喜ばれると思います。飛騨人も知らない貴重な経験談ありがとうございます。 
    次回、帰国される折には、飛騨高山ご案内いたします。
    是非、日程調整願います。     Goto

  2. ブラジル生糸 より:

    「坂の上の雲」の秋山兄弟ではありませんが、私どもの蚕糸業界にも昭和から平成にかけて飛騨高山に中村健二・栄二兄弟がいて、飛騨繭糸協業組合「高山社」として知る人ぞ知る、日本一の生糸を作り、一時代を築いていました。   
    兄健二は原料・営業・経営を、弟栄二が工場を担当して、それは見事に完成された製糸工場でした。 そのため、その教えを乞いたいと全国から訪問者が後を絶たず、みながこれを「高山詣で」と称していました。
    時は流れて、飛騨高山で育まれた製糸技術は、恵南式繰糸機械とともに、遠くブラジルの大地で今なお脈々と息づいています。ただ、ブラジル人の誰もが、この糸繰り技術は、日本の飛騨高山で、改良に改良を重ねた末に生まれたとは知らないままで・・・。

  3. 高山支局一同 より:

    ブログでご紹介いただきありがとうございました。
    皆さま、ぜひとも飛騨高山美術館の「東京国立近代美術館 工芸館 名品展」にお越し下さい。
    冬の高山は本当に美しいです。風が少ないので寒くありません。心引き締る凛とした冷たさが格別です。
    さるぼぼ倶楽部は明日が新春号の締切です。地域の皆さまが元気に良い年を迎えていただけるよう、心を込めてつくっています。
    駅前の観光案内所に設置していますので飛騨人の生活文化を知る生活情報誌としてお楽しみください。  さるぼぼ倶楽部 スタッフ一同