ハン・パラ

もう少し寛容な心で、政治を考えたいものです。
マニフェストもそうですが、にわかに、新語が飛び出しますと、その話題で一色になります。どうなっているんだと、一瞬首を傾げてしまいます。日本人って、本当に軽い国民性ですね。私はすべて、メディアが悪いと思っていますが。
英国の総選挙の話です。「ハング・パーラメント」(ハンガーにぶら下げられてる服のこと)で中ぶらりんの議会を指すのだそうです。今後、そうです。7月の参院選が終わるまで、連日、日本の政治情勢も「ハン・パラ」「ハン・パラ」と報道を繰り返すんでしょうね。
この国の政治に対する主体性のなさなんでしょうが。英国がそうだから、日本もそうなんだ。本当にそうなんでしょうかね?マニフェストといえば、マニフェストが金科玉条。二大政党といえば、二大政党が絶対。今度は第三極が注視されれば、「ハン・パラ」で一色。
にも拘らず、どれも中途半端で、尻切れトンボ。本当に弱ったもんです。二大政党を徹底するならば、小選挙区制にすればよい。衆院300議席で勝負してみたらどうですか。
英国自民党が23%の得票で議席は10%弱。それが、民意を反映していないというなら、完全比例代表制にすればよい。そうなれば、政党要件が厳しすぎて、民意を反映しないと、いうことになる。
マニフェストもそうです。日本の政治史で、公約を守れなかったと政権与党が反省した歴史などありますか?私の知る限りで、公約なんて、肩に張る膏薬よりも効き目のないものでした。公約を無視してきた自民党が、野党になったからと言って、民主党のマニフェスト齟齬を声高に批判するのは、片腹痛い。
私は、日本の政治を悲観していません。戦後初めて起こった政権交代を高く評価しています。
民主党政権の未熟さ、軽薄さを嘆くこともないと思っています。4年の任期で判断すればよいと思っています。自民党の体たらくも試練です。野党として、もがいて、苦しんで変貌してくれることを望んでいます。
問題は、メディアです。つねに、蚊帳の外にいて、そうです。自らの身の安全を確保して、その場しのぎの論評と報道を繰り返し、国民を軽佻の淵に追いやる。その責任は問れるべきです。
英国民が下した判断を、政党が如何なる形で、収斂して、連日政権を組むのか。英国の民主主義の歴史に謙虚に学ぶべきであって、日本の政治も英国に追従するとの安易な報道は控えるべきではないでしょうか。
少なくとも、日本の二大政党時代は始まったばかり。マニフェスト政治も始まったばかり。もう少し寛容な心で、政治を見てみたいものです。日本が「ハン・パラ」にならないことを願って。                                                                        Goto

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